お岩の祟りで瞬く間に取りつぶしとなった伊東家。だが、惑わされて伊東家の人々を手にかけた民谷伊右衛門は、死んだように装って生き延びていた。しかし、お岩の怨念は執拗に伊右衛門を襲い、次第に関係者のそばに怪異を齎しはじめる。復讐を誓っていたお岩の義理の妹・お袖は、直助の仮の妻となって身を隠しその時を待っていたが、彼女のもとにもやがて思わぬ出来事が訪れるのだった……
今回は先週にもまして陰惨な出来事が続きます。あらゆる媒体において、ちゃんとした形の四谷怪談というものに触れたことがなかった私には、今回の成り行きはけっこう驚きでした。四谷怪談が忠臣蔵に繋がっている、といういらん情報は持っていたので、伊右衛門の母・お熊が浅野家から吉良家に乗り換えていた、といった細かなところでは反応しなかったりするのですが。
相変わらず着実な作りであり、怪奇描写も凡庸ながら織り込み方は美術的で好感が持てます……怪談でそういう評価をするのが正しいかどうかは別として。いささか説明的な台詞が多いのが気に掛かりましたが、あとは特に不満もなし。
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