雨の不安に怯えつつ、意地でバイクにて映画鑑賞へ。何せ本日訪れる銀座テアトルシネマは、銀座と名前はついていても他の映画館とかなり隔たった場所にあり、電車だと長い徒歩を挟むかひと駅ふた駅ぐらいの半端な乗り継ぎを経由するしかないので、バイクのほうが私には解りやすいのです。幸い、行きも帰りも降られることはありませんでした。
本日鑑賞したのは、ショーン・ペン主演、1974年にまるで911を先取りしたかのようなテロ計画を立案、単独で実行に移そうとした男の姿を描いた『リチャード・ニクソン暗殺を企てた男』(WISE POLICY×Art Port・配給)。題名と主演ショーン・ペンという要素ふたつだけで期待を寄せていた作品でしたが、期待に違わぬ重量級の傑作でした。詳しい感想は、「ショーン・ペンの演じるキャラクターってたいてい家庭に恵まれてない……」からどうぞ。『ザ・インタープリター』しかり、『アイ・アム・サム』しかり、『21グラム』しかり、『ミスティック・リバー』しかり……って並べると最後のがいちばん普通に見える気がするのがまた凄い。そのほうが通り一遍でないキャラクター性を与えることが出来るし、またアメリカ全体の状況がそういう設定に説得力を齎している、という現実があることを差し引いても、目に見えて多すぎるという気が。まあ、あの人の態度から想像するに、仮に円満な家庭を持った役柄の依頼があったとしても、よほど脚本の出来を信頼し、自らが演じる意義を感じなければ蹴ってしまうのでしょうけれど。そこを敢えてやらせてみたい気もする。家は普通なのに当人だけ飛び抜けて変わり者、という状況で繰り広げられるコメディとか。
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