週末までに作業を一段落させたいので追い込みの最中、なのですが、週に1本は映画を観ておかないと、気持ちのすわりが悪い。それでもギリギリまで悩み、けっきょく出かけることに。
行き先は日比谷のTOHOシネマズシャンテ。バイクで行くか電車で行くか、と普段なら迷うところですが、出掛けに冷たい雨が降ってきたので、悩む余地はありませんでした。寒波の到来するなか、バイクで強行して風邪を引きたくなかったので、どのみち電車にするつもりではいた。
鑑賞したのは『ライトハウス』のロバート・エガース監督最新作、アイスランドを舞台に、父王を殺された王子が奴隷に身をやつし、復讐へと乗り出すアクション大作『ノースマン 導かれし復讐者』(PARCO×ユニバーサル映画配給)。ちなみに、1個前に観た『モリコーネ』と同じスクリーン、同じ座席でした。
なんか本当にヴァイキングの世界を目撃しているような感覚に陥る作品。こだわりまくったヴィジュアルの絵画的なクオリティの中で繰り広げられる、血みどろのドラマが迫力充分です。
記事によっては“ファンタジー”とも紹介されますが、ただ主人公アムレットが実際に起こす行動そのものにファンタジー的な要素は少ない、というのが面白い。幻想やイメージのなかで受け取った神託によって選択を迫られ決断をしますが、そのイメージ自体は共有していないのです。魔剣を手に入れるシーンだけはどこか空想的な展開をしますが、どこまでがリアルなのかイメージなのか判然としない語り口が、北欧神話の世界を身近に捉えていたこの時代の人びとの心象を垣間見せるかのようです。
シェイクスピア『ハムレット』の原型になっているエピソードゆえ、その展開は悲劇的です。しかし、あえて抽象的だったり、解釈に幅のある描写を多々盛り込むことで、決してただの悲劇とは呼べない、力強い余韻を残している。
ホラーで頭角を顕した監督らしく、美しくも残虐な表現が多く、捉え方の難しい展開をしていくことも相俟って、だいぶ観る人を選びますが、パワフルな傑作。
お昼は久しぶりにカレーうどんを食べていこうか、とぼんやり考えてましたが……屋外で食事をしたい気温ではない。ラーメン店に移動するのも億劫で、まっすぐ電車に乗り、自宅最寄りのコンビニで気になっていた新メニューを買い、家で食べました。
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