松江旅行2023冬、最終日&拾遺。

 というわけで最終日……と言っても、帰りの飛行機は12時15分。松江しんじ湖温泉から空港に直行するバスが出るのは10時半頃。仮に天候が回復していても、前日にだいぶ雪が積もって交通網がいちいち遅延や休止になっているなかで、ちょろっと立ち寄ってくる余裕はない。ゆっくりと朝食を摂り、きちんと帰り支度を整えて、余裕を持って駅に向かう、これに限る。


……と思ってたのに、最後に松江城行ってきてしまった。しかも、天守まで。
 前夜は、出先、しかも雪の中をだいぶ強引に歩き回った割には余力があって、深夜2時くらいまで作業はしていたのです。朝、多少惰眠をむさぼっても、間に合うくらいのスケジュールにはなっていた。
 しかし目覚めたのは7時ちょっと前。さすがにちょっと風邪の兆候があり、寝入る前に薬を飲んでましたから、起床時に少しぼーっとしていたものの、間もなく活動可能になった。
 そうなると、じーっとしているのが勿体なくなってくる。調べてみると、松江城は8時半には開いている……。

雪を被った松江城。
 天守まで登ってきました。

 宿がわりあい城に近いところに建っているからこその蛮行ですが、時間に余裕があるわけではない。天守からの光景を眺め、少し撮影したら、すぐ下城。大手前駐車場付近から天守までは雪かきを進めていてくださっていたので楽だったものの、敷地から出るとあいかわらずの積雪、どえらく足許を取られました。絵的に風情はあるけれど、やっぱり積もってない方がゆっくり堪能出来るよ。
 既にチェックアウトは済ませていて、嵩張るスーツケースと、お土産のみのトートバックを宿に預かってもらっていたため、引き取ってふたたび移動。やっぱり雪かきのされていない道を、交通量の少ない裏道では轍を頼りに歩きました。轍が狭かったところでは、スーツケースでだいぶ削ってるはず。
 松江しんじ湖温泉駅に着くと、もはや駅舎にいったん退避するのも億劫で、屋根のあるバス停で到着を待つ。頑張ったお陰で、15分くらい待つことになったのですが、動き回って身体が暖まっていたのか、寒さはほとんど気になりませんでした……っていうか、もうこの時点ではだただ疲れているだけでした。
 空港直通バスは、出雲空港での発着スケジュールに合わせて運行しており、そのためにまずバス停に来たのは、東京行きに5分先んじる大阪行きに合わせた便。しかし、移動するのに変わりはないから、これにさっさと乗り込む。
 しかしそれでも、空港に着いてからがまあまあ慌ただしかった。朝に松江城に登ることを考え、重たいパソコンやタブレットをいったんスーツケースに詰めていたのですが、もちろんそのままでは手荷物として預けられない。空いたスペースにお土産を、タオル類で覆って押し込むなどして詰め直し、無事に通過。出発ロビーにある売店で追加のお土産を購入するのに思案し、待合室に入ってからは、お昼時に被るフライト中に低血糖を起こさないよう口にする軽食を選ぶのに手間取り、あっという間に搭乗時間になってしまった感じ。フライトそのものも、いまいち不調だった機内Wi-Fiと格闘しているうちに着いてしまいました。
 羽田空港では到着ロビーからかなり遠い場所に着陸したので、敷地内の移動はバスです……時間にして10分くらいだったはずですが、体感的にはこれが長かった。軽食を摂ったとは言い条、朝から運動したせいで食事を渇望していたから。
 帰りに食べる場所もあらかじめ決めてあった……が、疲れているせいで場所を見失い、うろうろして更に消耗するのでした。
 そうこうして、食事も済ませ、ようやく帰りの電車に乗り込む。疲れが眠気になってきて、わりあい辿り慣れたはずのルートなのに、ものすご~く長く感じました……。

 最後に、触れ忘れたことを何点か。
 初日の飛行機、いつもなら昼寝している時間帯なので、軽く眠るつもりでしたが、結局寝付けませんでした。シートがいまいち寝心地が良くなかった、というのもありますが、大きかったのは、前列の若いご夫婦が抱えていた2、3歳くらいの子が離陸、着陸のあたりでず~っと泣き喚いていたから。まあ、大人でも若干ビビる揺れが幾度か襲ってきましたし、着陸寸前には間近で雷が鳴ったのだから、怖くなるのは仕方ない。触発されたように、客席の前の方でも後ろの方でも騒ぎ出す子供がいたし。
 泣くのはいいのです、それが子供の仕事なのだから。しかし、あの泣き方は、しばらく飛行機がトラウマにナルのではないか、とちょっと心配ではあった。
 帰りの便でも似たような怯え方をして泣いている子がいましたが、もしかして同じ子だったか?

 2日目の猛吹雪は、ただ交通網を麻痺させたに留まらず、幾つかの観光施設を閉鎖にも追い込んでいた模様。
 確実に閉めていたのは、歴代の松江藩藩主の墓所がある月照寺。あそこはただ雨上がりに訪れても足場が危ういので致し方がない。
 アナウンスが聞こえなかったため、確証はありませんが、恐らくは肝心要の松江城も、広範囲が閉鎖されていたのではなかろうか。ちゃんと防御を考慮した石段は当然、雪が積もったら事故多発の恐れがあるし、空調のない場内はまともに移動するのもきつかったはず。
 開いているところも、交通網が麻痺するわ足許が悪くて徒歩での移動に倍はかかるわ、で断念しているので、観光するなら降雪量の少ない時期に限ります。山陰はもともと雨の量は多いですから、ただの雨ならそれはそれで風情はあったんだけど。いや、雪景色も風情はありましたけど、それ相応の楽しみ方をしなければいけません。

 私みたいに、目的地を何箇所も定めて、その踏破にこだわるのはたぶんあんまし賢くはない……まあ、疲れもしましたが、これはこれで楽しんだし、3年、旅から遠ざかっていたため、だいぶ発散出来ました。
 漏れ聞こえてくる情報を信じるなら、本来のお目当てであった松江怪喜宴の仕切り直しは9月頃。COVID-19の5類移行はまだ批判的な声も多いものの、それで爆発的な流行を導かなければ、恐らくこの9月あたりは普通にイベントが開催できる。そのときはもーちょっと余裕のあるスケジュールを組んで、今回訪ねられなかった神魂神社や美保関にも脚を運びたい。
 ……っていうか、正直、予定通りにこの金土日に開催してたら、それはそれで大変だったと思う。交通の麻痺による直前中止でまっったく身動きが取れない事態もあり得ただろうし。

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