今回、わりとタチの悪い登場人物が多い。[レンタルDVD鑑賞日記その802]

 3月2日に、2022年6月リリースの『封印映像59 ひねんま』を鑑賞。冬の海に遊びに来た3人の男女を襲う恐怖《七人ミサキ》、悪霊退治が出来ると謳う男性を取材した記者たちの思わぬ災難を記録した《ゴーストバスター竜崎》、落ちていたウェアラブルカメラに記録された深夜の事件《改造人間》、出社してこない友人を訪ねた映像に映る怪異と、その不可解な影響を追う表題作の全4篇を収録。
 1篇1篇、シチュエーションは凝っているんですが、残念ながら、リアルに見せる技術がまっっっったく足りてない。今回は表題作含め、かなり変わった内容が多いのですが、如何せん会話があまりに台詞っぽい。普通のひとが何気なく撮影したときに、いちいちカメラが向いたタイミングでは喋らないのよ。あと、リモート越しでも、相手に異変が起きたときはもうちょっと動く素振りを見せて。自分で思ってる以上に薄情に映ってるから。
 ただ、繰り返しますが展開そのものは凝っている。出てくる人びとの言動に(台詞回しではなく、内容そのものに)イラッとさせられることはあれど、ホラーとしてはなかなか面白い。《七人ミサキ》や表題作のように、日本の伝承とも絡む題材があるかと思えば、何者かの狂った言動が覗く《ゴーストバスター竜崎》や《改造人間》のような怪篇もある。やっぱし表現自体があまりにチープで大いに説得力を欠いていますが、本当に設定、お膳立ては決して悪くないのよ。脚本と演出が拙すぎるだけで。とりわけ表題作なんか、状況自体はなかなかゾクゾク来るものがあります。
 行方をくらました演出は戻った様子がなく、代わりに誰がやってるのかも明示されないまんまシリーズが続いている不自然さも含め、基本的に練り込みが足りてない。こういうジャンルはどこも低予算で量産が求められてるんだろうなー、というのは察しますが、それならそれで工夫すればやりようはあるんだから、もっと頑張ろう。とりあえずそろそろ演出か、もはや霊能力者みたいになってたスタッフ田中を現場に連れ戻せ。可能な限り自然に。

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