4月18日の映画鑑賞のあとの話。
この日の訪問先は錦糸町。このところ、ここに来たら食事はほぼ双麺というお店を利用していました。飽きてはいない、けれどたまには新しい店も開拓したい、そう思い立って、前日に検索をかけてみて、気になるところをひとつ見つけた。しかも場所は、映画館のあるオリナスと、車道を挟んでほぼ向かい側――双麺よりも、そのうちもう一回訪れようと思っている中川會より遥かに近い。これで美味しかったら、メインで利用するお店の第1候補になりそう。前夜から期待に胸を膨らませてました。
訪れたのは、映画を観に来たオリナスの四ツ目通りを挟んでほぼ向かいにある、喜多方食堂 山海というお店……なにせ喜多方ラーメンが好きなもので、映画館からこんなに近くにあるとなれば、いちど立ち寄ってみるしかない。ネットの評価がまあまあ高く、お昼時は混雑している可能性もあったので、諦めることも考慮して向かうと、幸いにちょうど空きの多い頃合いでした。食券を購入してすぐに着席。
注文したのは朱、トッピングで海苔を追加。ここは濃口醤油やたまり醤油をブレンドしたタレを用いたものを朱、薄口醤油や白醤油をブレンドしたものを珀と銘打って提供している。白醤油というのにも興味はありましたが、基本に近そうなものを選びました。
具材は至ってシンプルで、チャーシュー2枚に細切りメンマ、それにネギを乗せただけ。スープに浮いている白いものは背脂と刻みタマネギです。背脂は食券を渡すときにありなしを確認されます。
スープをひとくち啜った瞬間、「あ、これ好きな奴だ」と嬉しくなってしまいました。店頭に掲示されたメニューによれば、鶏ガラスープをベースに焼きあごだしを使用、そこに濃口やたまり醤油をブレンドしたタレを合わせているらしい。スッキリとした味わいで飲みやすい、それでいて醤油の深いコクも感じられる。背脂がふんわりとした甘みを添え、刻みタマネギが歯応えと辛味を加えるので、シンプルながら変化も豊か。塩分気にしなければずーっと飲んでいられる。
麺は喜多方と言えばこれ、中太縮れ麺。程よい弾力とつるつる感で、啜るとスープの風味とともに小麦の甘さも来る。実に絶妙。あまりに食べやすくて、ひたすら夢中で食べてました。
チャーシューは、個人的にはちょっと惜しい。脂身もありますが全体としてパサパサした仕上がりで、スープを吸いにくいので少々主張が強い。やや噛みにくかったのも気になる。とはいえ、全体があまりに自然な仕上がりなので、この違和感とも言えるアクセントによってその後味の良さを強調しているとも感じる。
開業した方は、《きたかた食堂》の名を冠した他の店舗や、上野にある鴨to葱に携わっていた経歴の持ち主らしい。無化調にこだわった仕上げにしてもスープの後味にしても、そう言われてみると納得がいく。あちらもそれぞれの食材を活かして絶妙なハーモニーを構成し、幸せな後味を作り出していましたが、こちらにも似たような余韻がある。
具が最小限なので、もっとゴージャスにしたいならトッピングは必須です。私は今回、大好きな海苔のみに留めましたが、煮卵や崩しチャーシューなどを加えると更に満足感は高まるはず。
たぶんまた来ます。それでもいちばん好きなのは老麺まるやですが、比較的訪れやすい劇場のそばにここまで私好みのお店があるなら、通うしかない。次回は珀のほうを注文してみるかな……まあ、錦糸町に来るのは通常、3ヶ月に1回くらいがせいぜいなので、次回いつになるか解らないけど。
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