行けばいいのか逃げたらいいのか、どっちなんだい?![レンタルDVD鑑賞日記その813]

 4月23日に、2022年8月リリースの『封印映像61 感染霊』を鑑賞。幼い娘の夢遊病らしき症状を記録しているうちに恐怖の事態に遭遇する《夢遊病の娘》、奇妙な出来事が相次ぐという一室にカップルを装って住み込んだライターが想像しなかったトラブルに巻き込まれる《マンション》、ポストに奇妙なものを入れられる嫌がらせに悩んだ動画配信者が反撃のために始めた撮影で捉えた怪異《アンチ》、中古のドライブレコーダーに収録されていた、動画配信者のものらしき怪奇映像を巡る表題作の全4篇を収録。
 演出が失踪してから何本目だったっけか……まだ演出不在のはずなのにリリースが続いているのはこれ如何に。
 しかし演出がいるいないに拘わらず、いまいちクオリティが低い。怪奇映像そのものもさることながら、設定に違和感を覚えるところがしばしば。
 たとえば《マンション》は、普通なら賃貸契約をする前に提示しなければならないはずの“喫煙禁止”という条件を、管理人に挨拶に訪れた際に初めて明かされる、という点でまず首を傾げてしまう。その後、陸続と発生するトラブルへの投稿者達の対処も、それも含めた取材のために潜入しているはずのライターとして不自然極まりない。そもそも、奇妙な出来事の頻発する部屋を取材するのに、わざわざ住み込む、という展開が謎。普通は前の住民や、近隣ヘの取材が関の山ではなかろうか。住むほどの予算って出るのか?
 表題作もそうです。中古のドライブレコーダーから映像を発見する、という“ファインディング・フッテージ”スタイルに見せかけてひねりがあるのはいいのですが、映像のなかで起きる事故に関する情報が少々不自然。事故が連続する、という奇妙な出来事は報じられるとしても、あまりにも特殊すぎる共通点が報じられることがあるだろうか。本当の怪異が見つかるまでの展開は面白いんですが、その情報の不自然さゆえに、どーしても乗れない。
 そういう意味では、いちばん素直に愉しめるのは《夢遊病の娘》なんですが……これも、怪異の映り方があまりに露骨すぎて笑ってしまうのはどうしたものか。終盤のいちばん派手な現象、もうちょっとナチュラルに表現出来なかったものか。
 あと、残されたスタッフは、もうちょっと大事にしたほうがいいと思う。《アンチ》で泊まり込みしてるスタッフに対する指示、雑すぎるぞ。演出みたいに急に消えたらどうするんだよ。

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