2度目のやま鳶は、お魚の味。

 4月25日の映画鑑賞のあとの話。

 日本橋の映画館に行くときは、まず日本橋ふくしま館のイートインの出店を確認します。老麺まるやなら最優先、それ以外のお店は、遭遇したことがないところか、食べたことがないメニューがある可能性があれば優先順位を上げる、というかたちにしてます。この日に出ていたやま鳶は2月21日にいちど食べている。ここは“創作麺”と銘打っているくらいで、前回はまぜそばを提供していました。しかし、まずは基本の味を知っておくべきだろう、と思った私は、シンプルな醤油らぁ麺をいただいている。まぜそばにも興味はありましたし、“創作麺”ならではの工夫も体験してみたかったので、脇目もふらずふくしま館に赴きました。

創作麺 やま鳶のお魚らぁ麺、トッピングに特製味玉。

 今回のメニューは2種類、普通の醤油らぁ麺と、「常磐もの」お魚らぁ麺。というわけで、まったく悩まずに後者です。そのままだと具が少ないようなので、特製味玉も追加。
 麺はたぶん醤油らぁ麺と同じ中細のストレート麺を、やや柔らかめに茹でている。それを浸したスープは、タレは醤油と思われますが、出汁に魚介を使っている。
 ぶっちゃけそこまで舌は肥えていないので、どの魚を用いたのかまでは解りませんが、情報も併せて推測すると、煮干しは用いられているはず。ひと口啜ると少しざらりとした魚の風味がガツンと来ますが、後味は澄んでいて飲みやすい。醤油らぁ麺と同様で、スープがちょっと少なめなのが惜しまれます。
 具は前述の通り至ってシンプルで、やや薄めにスライスしたチャーシューが2枚と、刻みタマネギにナルトが1枚だけ。物足りない、とも思う一方で、それ自体に飽きの来ない膨らみと優しさのあるスープを邪魔していないのは好感が持てる。チャーシューは適度に肉の脂と風味を加えてよりまろやかにして、醤油系では珍しい刻みタマネギは適度な辛みと食感を添えている。いっそう箸が進みます。追加した味玉も、タレの味が濃厚に染みこんだものではなく、ほんのりと塩味が付いたような程度で、スープによく馴染みます。とろけすぎない半熟具合なので、割ってスープに浸しても、黄身が残ったスープに混じりすぎることもない。
 最初にスープを啜ったインパクトが最強で、あとはするすると食べきってしまうため、やっぱり全体として物足りない、と感じる可能性はある。こと、健啖家の方は間違いなく大盛り必須。しかし、決してクセは強くないけれど個性もあって、普通の人なら充実感は味わえるはず。スープが少なめなのをいいことに、今回も飲みきってしまいました――ああ塩分量が。
 ……実のところ、ほぼほぼまぜそばを食べるつもりでいたせいで、若干の残念さもある。それも含め、日本橋に来るタイミングでやま鳶が出店しているなら、今後も候補に加えるのは確実。基本、食は細いので、こういう重たくない1杯があると助かるのです。

日本橋ふくしま館 MIDETTEの店頭に掲示された、創作麺 やま鳶が2023年4月に出店した当時のメニュー。
日本橋ふくしま館 MIDETTEの店頭に掲示された、創作麺 やま鳶が2023年4月に出店した当時のメニュー。

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