2度目も成り行きでした。

 6月3日の映画鑑賞のあとの話。

 店に辿り着くまでの迷走は当日の記事を参照していただきたい。まあとにかく、紆余曲折あって、1年半ぶりくらいにこちらのお店、鮮魚らーめん 五ノ神水産に行き着いた。
 ここの売りは銀だら搾りのらーめんですが、こちらは前回の来訪時にいただいている。美味しかったのは確かだけど、前回に食べたときも、途中から襲ってきた別の1品の薫りがあまりに悩ましく、次に来るときにはあっちを注文する、と心に決めていました。ただこのお店、映画鑑賞のあとだと、神田駅を挟んでほぼ正反対の位置にあって、まあまあ遠い。それゆえになかなか立ち寄るきっかけが掴めなかったのです。だいぶ時間が空いたので、もういっかい銀だら搾りを注文しても良かったのですが、やっぱり初志貫徹で。こうしてネタにも出来るし。

鮮魚らーめん 五ノ神水産のオマール海老トマトつけ麺、麺は少なめ。

 というわけで頂いたのは、オマール海老トマトつけ麺、麺は少なめにお願いしました。新宿にある系列店で何度か食べたことがあり、あちらと同じ分量だと、この日はちょっとしんどそうだったので念のために。仮に「ちょっと少ないな」と思ったとしても、そこはそれ。美味しければお腹ぱんぱんにならなくても満足です。
 海老トマトつけ麺、というのは実は系列店の五ノ神製作所にもある、けれどそちらではトマトを使っていないほうばっかり注文していたし、上に“オマール”はついてない。ただ、公式サイトのメニュー写真を見ると、五ノ神製作所の海老トマトつけ麺と、この日私が食べたオマール海老トマトつけ麺は具材の構成が近い。特徴的なのは、麺に添えられたバゲットと、バジルと思しいソースです。つけ汁に溶けるトマトの酸味もあって、全体がどこか洋食風の味わいがあるので、バジルのほんのりとした苦みのアクセントや、つけ汁を浸したバゲットのふんわりとした綻び方が合って、最後まで楽しめるようになっている。
 チャーシューは2種類、1枚は麺の上のローストっぽい仕上がりのチャーシューと、写真では解りにくいですが、つけ汁の中に鶏チャーシューと思しいものが浸かっている。鶏チャーシューは柔らかく、脂にもつけ汁が染みこんでスープをより愉しませてくれます。一方の豚チャーシューはムチムチとして歯応えがあり、また違った食感がアクセントとなります。つけ汁に軽くディップしても、そのまんま齧り付いても美味しい。
 麺は、恐らくはらーめんで提供しているのと同じ中太麺。もしかしたらここが、五ノ神製作所のものといちばん違うところかも知れません。あちらは極に近い太麺で、強烈なもちもち感が魅力ですが、こちらも適度な弾力と小麦の風味はあるものの、麺を味わう、というより、つけ汁を愉しみための助演みたいな印象です。ちょっと浸けて、麺の風味とつけ汁の調和を愉しむもよし、たっぷりと浸して、口の中いっぱいにオマール海老の香ばしさとトマトの酸味を味わうもよし。
 いささか濃厚すぎるつけ汁は、それでも食べ続けていくうちに少々くどくなってきますが、そこで中に浸かっている大きめのプチトマトを囓ると口の中がスッキリとします。そんな具合に、ひとつのメニューの中で変化が多彩につけられて、濃厚なのに飽きることも倦むこともない。通常の麺の量だと重く感じる可能性もありますが、そういう方は私みたいに少なめで注文するといいかも知れません。当初、ここに来るつもりではなく、本来の量を食べる自信のなかった私も、この日は最後まで快く楽しめました。
 銀だら搾り同様、間違いなく美味しい。立地が他の飲食店の建ち並ぶところから少し外れているので、私自身は並んでいるところを見たことがなく、立ち寄りやすそうでもある。もっと頻繁に利用してもいいのかも知れません……でも、微妙に遠いんだよな、ほんとに……。

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