パット・メセニー作品を買うのは約3年半ぶり、だけどそのあいだもリリースが止まっていたわけではない。2021年に『ロード・トゥ・ザ・サン』と『SIDE-EYE NYC (V1.IV)』というのが発表されていて、ほぼリリース当時に存在も把握してる。ただ、前者はギタリストとしてはほとんど参加せず作曲のみ、というのでだいぶ悩んで買う気を逸してしまった。後者は若いミュージシャンとともに自身の曲を新たなアレンジで演奏したライヴを収録したものですが、日本での正規版が出るのか出ないのか把握出来ず、どうも輸入盤という体裁のまま、日本のためのボーナストラックを収録した盤がある、という奇妙な仕組みになっている、と気づいたときには、既にこの日本盤は販売を終了、やっぱりこっちも時機を逸してしまった。しかし今回ははっきりと日本盤がリリースされていたので、予約購入しました。
ストリングスも採り入れた大作だった3年前の『フロム・ディス・プレイス』と違い、こちらはエレキギターを多重録音しただけの極めてシンプルな音作り。しかも収録されている音源はリリースを目的としたものではなく、演奏のテストやギターの調整のような理由で演奏した即興曲、既存曲のデータがフォルダにかなり残っており、その中から選んでまとめたもので、メセニー本人もいつ収録したのか解らない演奏が混ざってるらしい……ホラーやミステリの発想が染みついてしまってる私は、怖いことを想像してしまう。
しかし全体の印象はとても静かで清澄。内省的でありながら、包みこまれるような聴き心地があります。作り方は『ゼロ・トレランス・フォー・サイレンス』みたいですが、アルバムとしての印象は、アコースティックギターによる『ワン・クワイエット・ナイト』や『ホワッツ・イット・オール・アバウト』に近い……ていうか、そもそも『ゼロ・トレ~』みたいなのをまた出したりはしないよな……。
届いたのがきのうのお昼前だったので、既に3回ほど堪能しております。先日購入したさだまさし『なつかしい未来』とともにしみじみと味わう……つもりでいたら、きょうもう1枚CDが届いてしまった。
第25回東京03単独公演「寄り添って割食って」サウンドトラックが。
……これだけ極端に趣が違う。今回、オープニング曲は角田さんのギター弾き語りだから、近い、と言えなくもないが。透析中はCDを聴いたり取り込んだりするのが難しいので、あとで開封するのだ。
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