恐怖は仮想空間に侵入する。

 16日封切りの観たい映画は早急に押さえる、という方針につき、今日もお出かけ。どうやら基本は曇天、雨の心配は少なそうなので、久々にバイクで移動しました。
 本日の目的地はTOHOシネマズ錦糸町 オリナスです……なんか今年は思いのほか来る機会が多い。ここまでの移動に慣れてきたのと、私のお目当ての作品が朝一番でかかっている率が高かったからと思われます。しかもオリナスは、ビルの地下に駐車場もあるし。
 本日の映画は本邦ホラー映画の第一人者となった感のある清水崇監督最新作、なにわ男子・西畑大吾を主演に招き、離島にて高度な仮想空間開発に携わるはずだった脳科学者が巻き込まれる恐怖のドラマを描いた忌怪島/きかいじま』(東映配給)。なにせずーっとホラーをメインで撮り続けている稀有な監督なので、出来るだけ追うつもりでいますから、これも先延ばしにはしたくなかった。
 ……なんだろう、ものすんごい可能性を感じるのに、そこから先に届かずに終わってしまった気がする。
 着眼点はとてもいいのです。VRを用いたコミュニケーション・ツールの開発、そこに介入してくる、地元の伝説と繋がる恐怖。いよいよ身近になってきた仮想空間に、情念が絡みついてくる、という発想はとてもいい。
 とてもいい、のに、色々と描くべきことを切ったりすっ飛ばしたりしているせいで、全体にぼんやりしたまんま話が進んでしまっている。恐怖そのものの源泉や、細かな繋がりについては謎として、深読みするためのフックとして残しておくのはいいんだけど、物語の展開や、心理的背景を伝えるのに必要な部分を省いてしまうのはさすがに違う。けっきょく、どうしてVRの世界に現地の伝承が侵入するような事態になったのか、きっかけが解らないままというばかりか、そもそも主人公がなんで招かれたのか、いったい何の仕事をする予定だったのか、そして話の中でいったい何をしようとしていたのか、背景も裏打ちもないので、本当にぼんやりしている。
 また、VRという要素と、古くからの伝承という要素の融合、という意味でも不満は多い。もっとVRというモチーフならではの恐怖表現が欲しいし、それが現実世界で起きる、Jホラーの文法に沿った怪異とリンクしていく新しい見せ方があってもいい、というか、出来たはず。終わってみると概ね既視感のある趣向ばかりで、特筆すべきは、バグのように現れた仮想空間内の怪異が突如として消えるくだりくらいのものです。
 本当に、着眼点はとてもいい。とてもいいのに、作り急いだあまり、いちおう専門知識はさらったけれど、それをホラーとして掘り下げきれずに終わってしまった作品、という印象。もったいないなあ……。

 鑑賞後は、約2ヶ月前に初めて訪ねて、必ずまた来る、と心に誓いを立てていた喜多方食堂 山海に赴き昼食を摂ってから帰宅。出かけるときはどんよりとした空模様が心配だったものの、帰りは関節保護の上っ張りが鬱陶しいくらいの陽気でした。

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