いったいどこで注文してるんだそんなもん。[レンタルDVD鑑賞日記その839]

心霊~パンデミック~フェイズ27(Amazon.co.jp商品ページにリンク)

 2月8日に、2023年8月リリースの『心霊~パンデミック~フェイズ27』を鑑賞。生活するマンションのドアが誰もいないのに叩く音がする怪異に悩まされた投稿者が撮影した《たたく》、匿名で送られた奇怪な写真の調査で海岸を訪れたスタッフが遭遇する怪異《ながれつく》、奇怪な映像を残して失踪した人物を追う前後編《悲鳴のする方へ》など、全6篇を収録。
 初期はけっこう面白かったのに、スタッフの徳丸が妙な存在感を発揮し始めたあたりから急速に劣化していったこのシリーズ。率直に言えば、今回も微妙です。
 長篇の《悲鳴のする方へ》は、その徳丸というキャラクターの悪さが出てしまっている。投稿映像に出てきた、人間の大腿骨のような形状をした笛を「実際に手に取ってみないと解らない」と言い出して注文し、それが届かない、と言って販売者と揉めている。メジャーではないがその気になれば調べられるはずのものをなんでわざわざ注文する? そしてそのくだりをなんで映す必要がある? ……このくだりのオチ自体は嫌いではないが、なんでそうなったのか、の説明も何もないのがまたモヤモヤする。
 このシリーズは、制作過程を見せることがドキュメンタリーらしさを演出する、みたいに考えているようですが、そんな四六時中回しているほうが不自然だと思う。昼食摂りながらの会議なんて別にいらんのよ。それが必要であったり、エッセンスとして活きているものもあるにはありますが、このシリーズについては余り評価出来ない。
 肝心の怪奇映像やその取材の様子についても、どうもいまいちだったり、作り物じみて素直に受け止められないものが多い。シチュエーションはいいのだけど、肝心のところで嘘臭さや、下手な作り物っぽさが滲んでしまうのどうにかならんもんか。《じどうさいせい》なんか、AIの自動生成画像に不気味な顔が紛れ込む、というのは実際にあり得るシチュエーションだし、底からの展開も悪くないんだけど、肝心のものと見せ方がどうにも不自然。都市伝説を彷彿とさせる《かして》なんか、動きが安手のお化け屋敷みたいで、怖いとか驚くとかより以前に笑ってしまった。
 この作品では“監修”としてクレジットされている佐々木勝己という方、ちゃんとしたフィクションとしてだとけっこう見応えのあるものを撮ってくれるんですけど、こうした怪奇ドキュメンタリーでは微妙なもののほうが多い印象です。たぶん、フォーマットがもう不具合を起こしてるんだろうなー。

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