うっかり返信してしまいそうになる。

 著名人と偽って宛先を間違ったかのような内容で送る詐欺メールが、未だにときどき届きます。
 昔から多かったのが旧ジャニーズ事務所のタレントを装った類で、近ごろ母の元には岩田剛典から来ているらしい。
 最近になって私の元には、平野紫耀が携帯を紛失した体で、マネージャーに携帯を借りて滝沢秀明にメールを送っている、という趣旨の詐欺メールが届いていました……マネージャーなら社長の正しい連絡先ぐらい把握してるだろ、ていうかメールより先に直接会うなり電話をかけるなりしろよ、と激しく突っ込みたくなる。恐らくそのツッコミどころも誘い水の一種なのでしょう。さっさと消してますが、1回読んでしまう程度には楽しんでしまっている。

 しかし、最近届いたのは、個人的にはこの紫耀→瀧沢を上回る傑作でした。
 岡田准一が、ドニー・イェンに宛ててメールを送ろうとしている風に装ってるの。
 明確な固有名詞は出してませんが、どうも『ザ・ファブル』シリーズ第3作のアクション指導かなんかをドニー・イェンに依頼し、その過程でメール連絡を取ろうとしているけどアドレスを間違ってる、という体裁にしたいらしい。
 正直、着眼点は好きだ。『ザ・ファブル』シリーズはちゃんと観てませんけど、岡田准一の本気度は知っていて興味はあったし、そこに《宇宙最強》ドニー・イェンを招こうとしているその構図は、映画好きとして実にそそられるものがある。ドニー・イェンの名前は解らなくとも、岡田准一と『ザ・ファブル』の名前はファンならすぐに察しがつくはずなので、引っかかる人もいるかも知れない。
 だが私がついついメールを返したくなるのは、別の理由からだ。
 ツッコみたくて仕方がないのだ。

 お前、なんで香港の人に日本語でメールを送ってるんだ、って。

 ……もちろん、それこそ相手の思う壺だと解ってますから、本当に返信したりはしません。しかし、なんだか本能的なツッコミ欲を刺激されて悶々としております。
 昨日にも1通届いていますが、午前5時に某局のロビーで雑誌の取材を受けているので連絡をもらえれば抜けられる、と呼びかけてました。あああツッコミてえ。

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