……作業、ようやく一段落です。先月ほどではないけどズレ込んでしまいましたし、月末からこっち睡眠が足りてなくて、最後ヒーヒー言ってましたが、一段落は一段落です。
寝たのは通常の月曜日と同じ、『深夜の馬鹿力』を聴き終えたくらい。ただ、そんな感じなので眠気が強烈です。月曜には片付いていることを信じて、既に確保済の映画のチケットは9時スタートの回……横になったときには半ば寝過ごすのを覚悟したのに、まだ神経が昂ぶっているせいか、けっこう早く目が覚めた。結果、余裕で映画館に着いたのでした。
訪れたのはTOHOシネマズ日比谷、鑑賞したのは、現代の名匠クリストファー・ノーラン監督が《原爆の父》を題材に、その栄光と葛藤、挫折を長尺と複雑な構成で描きだした『オッペンハイマー(字幕・IMAX with Laser)』(Bitters End×ユニバーサル映画配給)。
何せこちとら『メメント』かからずっとノーラン監督を追っているので、オスカーにも輝いた本篇、出来るなら封切り日に観たかった。しかしさすがに先週金曜日はそれどころじゃなかったので、作業上がりの自分へのご褒美にしました。このところ、ここでIMAXを観ることは避けていた日比谷を選んだのは、最近愛用していたTOHOシネマズ新宿だと8時50分の開映で、いくらなんでも早すぎたから。
……まあ、危惧していた通り、寝不足の身に3時間は辛かった。中盤の聴聞会のシーンで何度か意識が飛びました。そのあとの原爆実験のくだり、IMAXならではの轟音で目が醒めましたけど、それでも終始しんどかった。
ただ、作品としては“圧巻”の一言に尽きる。オッペンハイマー自身の視点を軸にエピソードを抽出しつつ、時系列が頻繁に前後する複雑な構成で綴っているのに、異様なドライブ感があって惹きつけられる。
日本人は特に、どうしても未曾有の被害をもたらした原爆の開発者、ということから広島・長崎の描写を望んでしまいがちですが、本篇のポイントは、オッペンハイマー自身がそもそも、実際に使われることを望んでいなかったという部分をきっちり描いていることだと思う。ドイツが核兵器の開発に着手していることを知り、国家間のパワーバランスを保つために開発を進めたオッペンハイマーは、使用される可能性はあまり考えていなかった。にも拘わらず実際に投下されたことがジレンマとなる。たとえ被害そのものの描写がなくても、その機能を知っているオッペンハイマーの苦悩は確かに描かれている。
一方で本篇のクライマックスにはちょっとした意外性があります。突如として物語に隠されていたミステリ的な側面が露わになってくるのです。そこから浮かび上がる、学者が社会の変化に翻弄され、政治の道具として利用される現実。そして、そうした一連の流れのあとに、この複雑な構成だからこそ生まれる驚きと重みが待ち受けている。
非常に緻密に作り込まれた大傑作。映画史に残りそうな素晴らしいラストシーンもそうですが、意識を飛ばしかけてぼんやり追ってしまった中盤をもっと丁寧に吟味するために、もう1回劇場に足を運びたい、と思ってます、マジで。
鑑賞後、たまには立ち寄ったことのない店でお昼を食べようかな、と思い、有楽町駅界隈をウロウロしてみましたが、決め手を欠いて決心がつかず、最終的には駅のすぐそばの丸亀製麺に立ち寄ってしまいました。初訪問ではあるけれど、メニューは他店と一緒。
どうにか腹を満たして帰宅すると、すぐさま仮眠。まだ神経が昂っているのか、思ったより早くに目醒めてしまったものの、まだ眠気は取れてません。今夜は深夜ラジオは録音しておいて、さっさと寝てしまおうか、と思ってます。
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