4月30日に、2023年11月リリースの『心霊闇動画83』を鑑賞。浮気が発覚した夫婦の深刻な話し合いを記録した映像に不可解なものが映り込む《協議》、廃校に忍びこんだカップルが遭遇した怪異とその顛末を追う《廃校の女》、過去の収録作にまつわる意外な事実に触れた《投稿映像その後の報告》など、全7篇を収録。
このシリーズは基本、ディスクを挿入すると、まずチャプター選択画面が最初に表示される仕様なのですが、今回、リストにチャプターのサブタイトルがまったく表示されず、“本編再生”と“予告映像”の2択だけ。初の1本まるまる使った長篇か、と勢い込んで“本編再生”を選んだら、いつも通り、ちゃんと細かく章立てされている……ただ単にチャプターを作れなかったのか、作らないことにしたのか。
で、結果としては、チャプターリスト以外、構成についてはいつも通り。違うのは、前巻にもあった《投稿映像その後の報告》が、また新しい切り口になっていることくらい。先行作に収録した映像2本に思わぬ関係性があった、という報告で、確かに興味深いとは言えますが……ただこれ、終わってないよね。報告するんなら、もう一段階進んでからにしようよ。演出補のたどたどしい説明で終わらすんじゃなくて。
肝心の怪映像は相変わらず。一瞬の写りこみが多く、内容的に珍しさがない。《城の風景》だけは、このシリーズとしては珍しい方向性でしたが、感想は「あ、そっちにも手を出すのね」でした。ナレーションの表現も首を傾げるところが多く、微妙な印象は一緒でした。
唯一見応えがあったのは《廃校の女》です……が、これもあんまり素直に褒められない。久しぶりに怪映像の部分を観てて声が出ちゃいましたが、あれは声が出るのが当然だし、解った上で鑑賞すると色々引っかかる。いちばんの問題は、インタビューで膨らませまくっているのに、その展開が不自然だということ。いつも、インタビューだけ追加しているのに、なんでこの映像だけそのまんま長期間棚上げにしていたのか。しかも、投稿者から追加報告があったあともしばらく間が空いたことになっている。このシリーズ、そんなにふんだんに素材があるように見えないんだが、なんでそんなに時間をかけたのか。そして、そこまで直を費やした割に、見届けるべきところをほったらかしにしているのが解せない。そこまで待ったんなら結末を確認しろよ。
ちょっと新機軸を採り入れようとする気持ちは垣間見えたのですが、余計に力不足を露呈した感がある。何度も書いてますが、発表するペースを落とした方がいい、絶対に。
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