『それぞれの孤独のグルメ 第四話 埼玉県川口市の目玉焼きハンバーグと雲丹クリームコロッケ』

 今回のゲスト主人公は相撲の行司、演じるはユースケ・サンタマリア。動きの苦手な力士の取り組みで差し違えを出してしまった行司・木村正基は、ひとりになりたくなって、久々に昼食を外で済ませることに。なじみのない店で食べるのは、ワンプレートに好物の詰まった大人のお子様ランチ。
 先週の回を観たときには、他局で演じてるのと同じ仏頂面のキャラクターなのかと思いきや、基本は正反対のキャラだったらしくてちょっと安心。失敗のせいで冒頭から落ち込んでるけど、ユースケ・サンタマリアはこういう陽性のキャラのほうがしっくり来る。
 しかし今回、序盤でちょこっとだけ描かれる、行司という仕事の一部が興味深かった。あんまし相撲は関心のあるジャンルではなかったので、行司がこういうこともしている、というのは初めて知りました。相撲文字を書く、という作業はなんとなく解るんですが、まさか部屋の巡業の手配もしてるとは。そしてそこでさらっと井之頭五郎の名前を挿入してくる。たぶんスタッフは、こういうゲスト主人公との絡み方を考えて楽しんでるのでしょう。
 料理は町の洋食店での、思わず“大人のお子様ランチ”と表現してしまうのも納得の代物。冷静に考えると、確かに行司という仕事の人は、タイミングを失うと洋食との接点がなく、こういう料理で興奮する条件は五郎さんより整ってる。例によって今回もおんなじ店に五郎さんがいるわけですが、更に乗り気になっている感じがいい。
 ……にしても、今回、ゲスト主人公のモノローグが、これまででいちばん馴染む気がしたのは、たぶん語彙が通常シリーズの五郎さんに似ているからでしょう。他のスポーツもよく例えに出すけれど、いちばん相撲関連用語がしっくり来るらしい。料理との一対一だから?
 世間では賛否両論になってる、みたいな記事も目にしましたけど、基本、表現の工夫に関心のある私としては、『孤独のグルメ』として譲ってはいけない部分をちゃんと押さえて、変化を見せているこのシリーズは非常に楽しんでおります。結果、今のところ食いっぷりの良さはやっぱり五郎さんに及ばない、というのも実感してはいますけど。

 次回はももいろクローバーZの玉井詩織、演じるのは……熱波師。また面白いところに目をつけたなー。

テレビ東京開局60周年連続ドラマ 孤独のグルメ特別編 ドラマ24「それぞれの孤独のグルメ」 | テレ東・BSテレ東 7ch(公式)
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