今期はとにかく、やたらとドラマを観てました。実は、感想を書いいた以外にも、他にもほぼ毎週観てたドラマがある。ぜ概ね完結したので、ひととおり触れていきます。順番は、東京圏での放送時間順です。地方によって違うかも。
まずはフジテレビ系列、月曜22時からの『モンスター』。放送直前の宣伝で気になったのもありますが、ぶっちゃけ、『嘘解きレトリック』の直後で、観やすかったから、というのも大きかったりする。その勢いのまま完走してしまった。
基本的には面白かった、んだけど、不満がないのは序盤数話くらいだったかも。まるでゲームのように法廷に臨み、シンプルな勝利より依頼人を納得させることに重きを置く、という狙いはいいし、最終話で浮き彫りになる“モンスター”という主題はいいんですが、法廷戦術が無理矢理だったり運任せすぎるのがちょっと気になった。キャラクターとして立っていたのが趣里演じる主人公と古田新太演じる、序盤では謎だった人物くらいで、他のキャラクターは掘り下げ方が甘く、見せ場も出来ていなかったのが残念……この分野では『アンチヒーロー』という壮絶な1本が先にあっただけに、どーしても見劣りしてしまった。楽しむことは楽しんだんですけどね。
お次はテレビ朝日系列水曜21時『相棒 Season23』、昔は観てませんでしたし、出演者にあんまし好きではない人がいた時期もあって敬遠していたのですが、初期はちょこっと観ていたこともあり、初代相棒・亀山の復帰からは概ね観ていたりする。
ときどき粗いな~、と思うことはあるけれど、色々とミステリ的な工夫を凝らしているので、いまは素直に楽しんでいる。探偵役とワトソン役の信頼関係がいいのだ。裏によほど観たい番組が被ってない限り、元日SPも観るよ――次回は、何事もありませんように……。
そしてこれもテレビ朝日系列、木曜21時『ザ・トラベルナース』。最初のシリーズの終盤だけ何故か観てしまって、そこで垣間見た、中井貴一と岡田将生の軽妙かつ反発と信頼の奇妙に入り混じった関係性の表現が楽しくて、今回は初回からほとんど観ました。最終話の直前に、大半を観逃していた第8話については、図~っと契約を残してるTELASAで鑑賞して備えたくらいだ。
この作品は脚本家が『Doctor X』と被っているせいもあってか、あちらと基本的構造は似ている。大きく違うのは、ふたりのトラベルナースを主人公として設定し、才気煥発で個人主義的な若いトラベルナースと、人を食った言動ながら的確に周囲をコントロールするベテランのトラベルナース、という2人の個性のぶつかり合いと、医療現場でのプロフェッショナルらしい連携ぶりので魅せていること。寮とかナースステーションでは終始言い争っているくせに、いざ急患を前にすると見事な連携を繰り広げるメリハリが、緊張感と笑いを生み出していて、『Doctor X』とは違う面白さを醸し出している。
今回のセカンドシリーズでは、山崎育三郎演じる新院長の改革が中心となっていて、医療関係では色々と苛々させられることも少なくなかった私の目には頷ける指摘も多かった一方、乱暴すぎる人材の切り捨てに不安を抱かせ、最終回のひとつ手前で非道っぷりを露わにした。そこから急転直下で訪れるクライマックスは、トラベルナースという特殊な人材ばかりではなく、医師よりも近い場所にいるナースというものの必要性をきちんと描いていて、堂々たるクライマックス。ちゃんと山崎育三郎にもイメージ回復の機会を与えていることまで好感が持てる。このシリーズの真価が発揮された、良い決着でした。
ちなみにこの作品、エピローグのところで、主題歌を歌う斉藤和義がサプライズ出演していることが話題となってました。私も、あれ? とは思ったんですが、確信が持てませんでした……だって、あっという間なんだもの。その場面は、言い争いながら歩く岡田将生と中井貴一をずーっと追う作りで、斉藤和義をアップにしたわけじゃないんだもの。
あと、最近はとりあえず観始める朝ドラ、『おむすび』もちゃんと鑑賞してます……最後までずっと質が高かった『虎に翼』のあと、という重石があったことを考慮しても、出だしは良くなかった。
ギャルを題材にするのはいいんですが、ほぼヤンキーもののフォーマットで、高校時代の描写は古い、かつあんまり惹かれない青春もので、新味に欠くばかりでなく、説得力も意外性もない。橋本環奈始め、良質の俳優陣がもったいなくて仕方なかった。
半ば離脱しかかってましたが、主人公が調理師の専門学校に通い始めたあたりからは改善してきたと思います。脚本家は、東日本大震災が残した傷を繊細に織り込んだ『監察医 朝顔』を担当していて、恐らくそのときに使っていなかった切り口を試みたのでは、と思えるくらい、阪神淡路大震災の描写からあとの説得力に優れていた。そうした事情を踏まえた、栄養士を志す主人公と周囲のひとびとの行動も頷ける――緒形直人が演じる、震災で娘を失った男性の言動とか、引っかかるところも幾つかありますが、序盤に比べれば格段に良くなった。
早く出かけなければいけないときにわざわざ録画してまでは観ない、という程度で、積極的ではないものの、いちおうは継続している状態。少なくとも、大事な料理の部分で説得力が皆無だった『ちむどんどん』よりちゃんとしてるから、その点でストレスはないので、このままダラダラと完走しそう。
ちなみに、何故一部だけ感想を書かなかったかというと……そもそも感想を書く方がイレギュラーだったから。
日曜劇場なら『VIVANT』と『アンチヒーロー』はワクワクしながら観てたし、『科捜研の女』や『家政夫のミタゾノ』はほぼ欠かしてない。でも、どれもさほど感想はアップしてません。
今期は、ファンになったあと初めてリアルタイムで鑑賞できた『それぞれの孤独のグルメ』があり、原作が大好きだった『嘘解きレトリック』があり、前々から興味のあった端島を題材に、しかも敬愛するさだまさしが出演する『海に眠るダイヤモンド』があり、語る気にさせる『全領域異常解決室』と、記事を作ってみたくなる作品が多すぎただけなのです。
これからも、基本的にはドラマは感想を書くことに拘らず、のんびり観る方を選びたい……と言いつつ、記事のネタを考える手間がちょっと省けるので、ちょっとでも触れてみたくなったら、採り上げる可能性はあると思うけれど。
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