父と娘、命懸けの珍道中。

 2日連続の映画鑑賞です。昨日のは、先週末に公開だったのを、本来のターゲット層が観るのをなるべく邪魔しないよう、あえて木曜までためていたのですが、今日はただただ、早く観ておきたい1本なので、封切り日である今日を選んだに過ぎません。たまたまです。
 映画館はTOHOシネマズシャンテ……実は日本橋でもかかってますが、初回の時間がちょっと遅いので、もともと観に行くつもりだったこちらにしました。シャンテの何がいいって、上映作品のキーヴィジュアルを外にでっかく出しているから。最近はこういう彩りのない劇場が増えたので、かの1点だけでもシャンテを選びたくなる。
 ちなみに今日は、タイタンシネマライブのチケット発売日です……そんな簡単に売り切れるものでもないので、家に帰ってからでもいいのですが、ちょうど上映開始時間と重なっていたので、飲み物だけ置いてスクリーンの外に出て、スマホを使って確保しました……という行動をちゃんとするよう、前夜のうちに予めこの部分を先に書いてたりする。映画館までの移動に使う電車の中で、この項の下書き用ファイルは確実に参照するから。妙に手こずってしまいましたが、何とか本篇が始まる前に購入を済ませられました。
 鑑賞したのは、独自の映像感覚で人気の高いウェス・アンダーソン監督最新作、ベニチオ・デル・トロ演じる悪辣な富豪が、悲願である事業を成功させるため、修道女志望だった娘とともに命を危険にさらしつつ飛び回るザ・ザ・コルダのフェニキア計画』(PARCO×ユニバーサル映画配給)
 相変わらず不思議な世界観です。わりと剣呑なことが繰り返し起きてるのに、万事がやたらとユーモラス。シンメトリーを意識し、リアルなのにファンタジーな趣のある美術のなかで繰り広げられる、やっぱり危険なはずなのにシュールな会話。ずっと「何でそうなる」「さっきと言ってること違う」とツッコミっぱなしになるけれど、これがクセになります。
 でもその一方で、数十年前の出来事として描かれているのに、現代に通じるテーマがちょこちょこ埋め込まれています。民族や国家の対立、貧富の格差、開発の意義と闇。でも何より印象深いのは、デル・トロ演じるザ・ザ・コルダと娘・リーズルを軸に表現される、家族というものの奇妙さです。およそあり得ないような出来事の連続ですが、その中で起きるザ・ザ・コルダとリーズルの変化が不思議とリアルで、滑稽だけど感動ももたらす。
 あまりにも奇天烈な世界観で、ハマらない人にはまっっったくハマらないでしょうけれど、いちどクセになったら何度でも鑑賞したくなる、ウェス・アンダーソン監督の真骨頂を感じる作品。しかし個人的には、ボロボロになりながらも自らの野望のため邁進する投資家の役を飄然と堂々と演じきったベニチオ・デル・トロが堪能出来ただけでも大満足だったりする。最近はバイプレイヤー的な立ち位置が多かったし。

 昼食は、映画館の近く……ではなく、ひたすら歩いて日本橋を越え、日本橋ふくしま館まで移動して、イートインにていただきました。今回は老麺まるやではなく、もうひとつのお気に入りである坂新が出店しているのです。ここもだいぶ定着してきたようで、12時40分ぐらいに到着したのですが、満席で数人ながら列が出来ている。回転は早いものの、実際に食べられるまでに、着席してからも10分くらいかかりました。でもいいの、美味しいから。

TOHOシネマズシャンテが入っているビル外壁にあしらわれた『ザ・ザ・コルダのフェニキア計画』キーヴィジュアル。
TOHOシネマズシャンテが入っているビル外壁にあしらわれた『ザ・ザ・コルダのフェニキア計画』キーヴィジュアル。

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