ひと癖ある喜多方風。

 10月3日、松江に向かう高速バスに乗る前の話。

大久保公園入口上に掲示された餃子からあげ祭看板。

 大久保公園入口上に掲示された餃子からあげ祭日は高速バスで12時間以上かけて松江に赴きます。休憩場所で食事を摂る余裕があるとは思えないので、きちんと腹ごしらえせねばならない。折角、バスタ新宿から出るなら、ちょうど大久保公園で開催されていた、餃子からあげ祭で食べてくることに。
 ただ、から揚げは大好きだけど、不慣れな高速バスに乗る前に食べると、気分が悪くなるかも知れない。餃子は他の同乗者に迷惑がかかる可能性もなきにしもあらず、なので、やはり注文するのはラーメンです。複数並ぶブースのひとつのみではあるけれど、ラーメンも出店していて、選択肢は他にありませんでした。無論、それがイヤなわけがない。調べてから来てるので、好みに合わないようなら

麺処 若武者の煮干し香る熟成醤油中華そば、トッピングは半熟玉子。

 いただいたのは麺処 若武者の煮干し香る熟成醤油中華そば、トッピングは半熟玉子。
 若武者は福島のお店なので、よく訪れる日本橋ふくしま館のイートインにもときどき出ているし、なんなら、訪れやすい浅草にも支店があるので、わざわざ催事で食べなくてもいいんだけど、このときは新宿での食事、というのが大前提だし、ここのメニューとしては食べたことがないので、選ぶのに躊躇はなかった。
 ただ私、食事の前に薬を用意し、食前に飲むものもあったりして、食べ始めるまでどうしても時間がかかる。そのせいで伸びるのがいつも心配です。経験上、こういうセルフ方式で、食事のスペースが多いイベントでは、提供から箸をつけるまで時間がかかることを想定して茹でる、というのが慣れたお店の手法なんですが、絶対ではないし。
 しかし、準備していると急速に上ってきた煮干しの薫りに誘われ、大慌てで食べ始める。レンゲはなかったので、丼を掲げて直接、スープを啜る。
 美味しい。煮干しのクセはないけれど、適度なコクとなって口の中に拡がる。しょっぱすぎず辛すぎず、でも醤油のどっしりとした深みを感じる味わいです。このスープだけでもいい。
 麺は喜多方ラーメンでお馴染みの中太縮れ麺。若武者はストレート麺だったような……と言っても、催事でしか食べたことがないので、記憶違いかも。危惧していた、伸びたような印象もなく、ムチムチで弾力豊か、そこにスープがしっかり絡んで相性はよし。
 チャーシューは薄切りだけど3枚、しかもかなりトロトロで解れやすい。肉のむちっとした旨味より、スープをよく吸った脂身が、コクの向こう側に甘みを滲ませていて、こちらも美味しい。
 トッピングで追加した半熟玉子は、黄身が溶け出すくらいのちゃんとした半熟加減。なので、割ると一気にスープに流れ出します。慌てて半分を食べる……けど、黄身が溶けたスープの、趣を新たにしたコクもまた美味しいのです。チャーシューを増やしすぎると私にはクドい、というので、トッピングは半熟玉子にすることが多いのですが、“半熟”というだけでも色々なスタンスがあります。個人的にはもうちょっと固めで、そこにスープを吸わせて、濃厚な黄身にスープの風味を加わるくらいのが好みなんですが、こういうのもアリ。
 内容的にはかなりシンプルなラーメンと言える。けれど、仕込みに丁寧さと配慮が窺え、きちんと個性の立ったラーメンでした。調べた限りでは、通常の店舗で提供しているメニューとはちょっと違うようですが、もう一回食べたい、と思えるレベルです。

 余談ですが、この翌々日、家に帰って最初の食事はから揚げでした……イベントで忙しくて忘れてたけど、10月3日は我が家はから揚げを食べることが多いのよ。私が出かけてから母が思い出したためである。何をしているのやら。

餃子からあげ祭、麺処 若武者ブースに掲げられた看板。
餃子からあげ祭、麺処 若武者ブースに掲げられた看板。

若武者|ラーメン|福島県二本松市・福島市・郡山市|オフィシャルサイト
福島の新旧の食文化、食材で既成概念にとらわれない自由な発想で食を提案、開発していく。|オフィシャルサイト|F3Inc(株式会社エフスリーインク)

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