今回は1週間まとめて語ります。あんまし意外な流れ、かつ納得のいく筋書きだったので、じっくり観たかったの。
実際の小泉セツはどうか解りませんが、当時の外国人相手の女中というのが、あんまりいい表現ではないけれど“現地妻”のごとく扱われていた傾向にあったのは事実でしょう。少なくとも、そこに悩みがなかったわけではないはずで、きちんと描いたのは、この作品なりの時代との向き合い方だと思う。
個人的にいちばん衝撃だったのは、雨清水タエが物乞いをしていた場面です。ただこれもどうも、一時的ながら実際にあったことらしい、というのは、このくだりに絡めて紹介された記事にて知りました――まだ劇中で触れられていませんが、タエの素性が史実になぞらえているなら、本当に生計を立てるために働きに出る、なんてことは想像だにしていなかったはずで、物乞いぐらいしか出来なかったでしょうから。ていうか、その辺のエピソードはドラマで出てこなかったりしないだろうな。実は凄い話があるんだけど、この辺はヘブンさんとの関係が深まってからか?
現状、謎なのはヘブンさんの真意です。女中になることに積極的だった遊女のなみは何故採用されなかったのか、何故士族の娘でなければ、という条件が加わったのか。先週よりはヘブンに寄り添い理解を深めたように思われる錦織も、どうも本質的な部分ではヘブンとの意思疎通が出来ていない気配があり、農家の娘だったなみを軽んじているとか、女中と懇ろになることを目的としているとは思えないんですが、果たして真相は如何に。
……ところで、ヘブンさん来松以降の描写を見てると、ちょっと不安になってきました。
小泉セツの幼少時に、彼女の価値観の礎となり象徴となる、際立ったエピソードがあるのですが、このところのドラマの展開や描写を見ていると、このエピソードが盛り込まれないのでは、という危惧を抱き始めたのです。
もちろん絶対に必要、というわけではないけれど、セツも自ら語り文章になっているエピソードなので、出てきてくれないかなー。まだまだ可能性はある、と信じつつも、ちょっと不安。


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