赤えんぴつ LIVE TOUR at Zepp Haneda 12月11日公演。

 六本木にあった俳優座劇場が、今年4月に閉館しました。
 ここは長年、バナナマンが単独ライブの会場として使用していて、私も2度ほど鑑賞したことがあります。年季が入っていて、観客の動線がうまく整理出来ない嫌味はありましたが、雰囲気はよかった。
 てっきり老朽化してて解体や大規模な補修が必要なのかな、と思ってたら、ほとんど間を置かず吉本興業がコント専用劇場として使い始めていて、若干「なんだかなー」という気分はした……実質、劇場として存続するとしても、演劇は無論、所属事務所の違うバナナマンが使用する可能性はかなり低そう。
 夏恒例の単独ライブはどうするのか、と思っていたら、従来なら公演のスケジュールが発表されるくらいの時期に公になったのは、まさかの赤えんぴつライブツアー。これは行かないわけにはいかぬ。
 ……本当は、ツアー最初の、東京キネマ倶楽部での公演を観たかったのです。しかし、これまでの単独公演チケットのハードルの高さを思えば、600席程度のキャパとの競争率はとんでもない。あっさりと敗北し、どーにか第2候補にしていたZepp Haneda公演のチケットを確保出来たのでした。

 なにせ初めて訪れる会場ゆえ、下調べは欠かせません。
 最寄りの天空橋は羽田空港手前ですから、何度となく通り過ぎていて位置は解る、が、そこで降りたことはない。うっかり東京モノレール羽田線の空港特快になんか乗ってしまえば羽田空港から歩く羽目になる。
 なるべくリーズナブルに移動する方法も導き出しましたが、若干のリスクがあるので、いちばん解りやすいルートを採用。夕方まで時間を潰して出発。
 乗り換えで乗る便に惑わされ、思わぬ足踏みをしましたが、開場30分前にはZepp Hanedaに到着。まずはグッズの購入……ただ今月、懐がだいぶ厳しいので、ペンライトだけにしました。今どき赤しか点灯できない赤えんぴつ仕様。武道館公演では買えなかったので、今後はこれを使う。
 この界隈がもろに海の近く、しかも遮蔽物がないのでやたらと風が強いのをこらえつつ時間を潰し、列の形成が始まるとすぐさま並んで、さっさと入場。元メンバーの花とかを撮影して、さっさと席へ。
 ……最前列だった。
 いやB列って書いてあるから油断してた。撮影用の機材や動線が必要だからA列がなかったのか! 喜びと戦慄に見舞われながら、この項を書いたり、宿題の書き物を進めつつ待機。

 このあとセットリスト込みで感想を記します。まだ博多公演が残っているし、どうやら今日の公演が映像リリースされる可能性がありそうなので、ネタばらしされたくない方はここで引き返してください。いちおう長めに改行を挟んで続けます。


























赤えんぴつ LIVE TOUR at Zepp Haneda、ロビー端に展示されていた赤えんぴつBE@RBRICKやソフビ等々。
赤えんぴつ LIVE TOUR at Zepp Haneda、ロビー端に展示されていた赤えんぴつBE@RBRICKやソフビ等々。

 1, いちごみるく
 2, サーカス
  バンド紹介
 3, 自転車
 4, オレンジ
 5, あの頃のキミ、今のボク
 6, 桃ジュース
 7, 恋ごころ
 8, イカレポンチ
 9, アタホライ
 10, 好きだ
 11, 風が吹く
 12, ナヌ
 13, よし子ちゃん
 14, 誕生花
 15, それを胸に
 Enc1, 星のラブレター
 Enc2, 冬のリヴィエラ
 Enc3, だけど好きなんだ

 最初に人が死ぬ歌を選んで、アンコール前の最後の曲も人が死ぬ、という、冷静に考えるとなかなかエグい配列。ただ、前半が初期の狂気を孕んだ楽曲を散らして、後半はわりと明るい、或いは希望のある曲想が増えてからの曲を中心にしているのが、構成として巧み。どんどん盛り上がってきたし。
 そして何より、武道館公演よりも、“赤えんぴつのライブ”を観に来ている、という感覚が強い。
 私が観た武道館公演は追加公演、あえてゲストを多数招き豪華でしたが、ある意味では赤えんぴつっぽくなかった。
 しかし今回は、バンドスタイルであることを踏襲した以外はゲストなし、バナナマンライブのネタとしての、MC部分のお笑い要素を採り入れつつも、アーティストらしくなった。武道館公演で初めて本格導入したバンドサウンドが更に固まって、演奏の一体感も増してます。確かあのときはいなかったフィドルを導入しているのも効いている……いたかも知れない。馴染みすぎていて、 違和感がなかったし。なにせ私の席の真っ正面がフィドルだったので、ソロのところでは赤えんぴつを忘れて眺めてましたし。
 曲数は減りましたが、6~7、10と11のところ以外は基本的にMCなので、このあたりも充実感がある。しかも、バナナマンライブのように、きっちりと固めたコントではないので、客席との掛け合いがあるのも楽しい。
 そもそもが“四畳半フォーク”という位置づけで、暗い曲を座ったまま歌う、というコンセプトでしたから、武道館公演でも今回のライブでも座ったままのスタイル、ですからあからさまな煽りはしてないんですけど、もともとお笑いのネタであったからこその絡みが楽しい。歌のフリを兼ねているため、トークも定型があるから、観客の受けも成立する。どう考えても、先行する別の都市での公演も観てきたと思しいお客さんが、おーちゃんの振りにちゃんと応えているのがおかしかった。光景として異様すぎる。  選曲で驚いたのはアンコール、他のアーティストの曲を歌っていること。これまでにも森山直太朗やトータス松本、それに元メンバー(笑)の星野源……っていうか、ネタ的には前述のふたりも元メンバーだったり過去に繋がりがあったりするんだけど、ともかく提供曲というものはありましたが、完全なるカバーは初めて。1曲目がTHE BOOMの『星のラブレター』はともかく、2曲目の『冬のリヴィエラ』には度肝を抜かれました。いちおう大滝詠一好きなのに、サビまで気づけなかったのです……だって、冬、というより南国的なアレンジなんだもの。どうやら、最初に提供された森進一ではなく、別のアーティストのアレンジに寄せたそうですが、意外なくらいにおーちゃんのヴォーカルがハマってました。権利の問題もあるので、バナナマンライブの中でやるのは厳しいでしょうけれど、もしまた赤えんぴつとしてライブを実施するなら、また別の曲も演奏して欲しい……ただ、権利というのはだいぶ面倒くさいので、果たしてこのくだりは映像化や音源化がされたときに収録されるのかどうか。
 本篇、そしてアンコールでも、バナナマンライブにおける赤えんぴつのくだりではお馴染みの挨拶を観客も一緒にやって、終演。最後までひたすらに楽しいライブでありました。帰りにアサヒスタイルフリーも1本もらえたし、何より、こういうライブでよくある、発射されるテープを初めて手に入れることが出来たし。どーしても遠慮してしまうのだけど、なにせ目の前に落ちてきたんだもん。

 ……ただ、移動手段との相性は、最後まで悪かった。
 どこから駅に戻ればいいのかしばし迷い、どうにかホームに辿り着いたと思ったら、ちょうど列車が出るところ。しかも、金沢駅と金沢文庫駅の間の踏切で安全確認をしていたことで、京急と直結する路線ことごとくに影響が出ていて、そうでなくても1本逃しているのに、私が帰るために乗らねばならない便は更に遅くなった。母には22時過ぎになるかも、と伝えておいたのですが、実際に家に帰りついたのは23時近くなっていた。そこまで遅くなるつもりはなかったので、夕食は作ってもらったのですが、Zepp Hanedaが接続する羽田イノベーションシティには飲食店も複数あったので、ライブ前にここで食べる、という選択肢もあった家までまあまあ時間がかかるので、もし次があれば、そっちを選ぼう。
 そんな具合で、出かける前に投稿するネタを仕込むことも出来ず、やむなく日付をまたいでこの記事を書き上げ、日付を11日に設定してアップする次第。

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