意外な人を意外なところで。

『所さんの学校では教えてくれないそこんトコロ！』という番組が好きで、昔から観てます……しばらく前に時間帯が移動して、裏に『チコちゃんに叱られる！』があるせいで、最近は観られる部分だけ観てあとは録画して後日、ということが増えてますが、何かの時間潰しにちゃんと観続けている。
　このところこの番組でよく扱われるのが、《開かずの金庫を開ける》シリーズ。割と日本各地にそういう、手つかずになった金庫が眠っているものなのか、あちこちで発見されているらしく、この番組に限らず他局でもしばしば目にする企画です。しかし、ここまで継続的に取り扱っている番組はない、はず。
　ここで鍵開け職人として活躍している玉置恭一という方、途中で所属が変わったりしてますが、ときどき多忙で後輩に替わってもらったりしつつも、長く出演を続けている。もともと腕があったのでしょうが、こんな感じであちこちに引っ張り出されているうちに技術が上がっているのか、他局の同じような企画に出演される職人の方よりもかなり手際がいい。状態のいい金庫であれば、難易度の高いものでも10分以内に開けてしまう、というのをしばしば目にします。
『そこんトコロ！』でも頻繁に出演しているので、月に２度はテレビ画面で見受けるのですが、今週は他の番組で２度、目撃している。
　ひとつはこれを書いている今日、『真相報道バンキシャ！』でした。先日、赤坂の個室サウナ店で発生した火災と関連し、ドアノブの不良と、閉じ込められた場合の対処を、ＶＴＲにて解説されていた……そもそもこの方は“鍵開け職人”であり、こういうドアのトラブルに対処するのが中心のはずなので、そりゃあ呼ばれれば登場するのは当然。
　しかし今日、玉置さんがしれっと登場した瞬間、私は膝から崩れるくらい笑いました。何故なら、ついこのあいだ、もっと意外なところで目撃していたから。
　それは水曜日、TBS系列の『水曜日のダウンタウン』でした。
　毎年終わり頃に大規模な規格を用意してくるこの番組、今年は最近のヒットとなった《名探偵津田》を、12月3日に未公開映像でダイアン津田が長袖を手に入れるまで、そして12月17日と次の24日に最新作をいずれも拡大版で放送します。
　まとめて観よう、と取っておいている人のために詳細は伏せます――が、これくらいは言わせてもらおう、ふたたび途中から名探偵津田の助手としてみなみかわが登場するのですが、そこになんでか、玉置さんが一緒にいたのです。
　解らないのは、玉置さんがこの扱いを知っていたのか否か、です。
　これくらいは察しがつくでしょうから書いてしまいますが、なにせ、みなみかわは例によって、ドッキリにかけられて巻き込まれた格好になってるのですが、玉置さんはこのみなみかわを引っかけるための仕掛けみたいな役割を担っていた。果たして玉置さんは、この仕掛け人、というより“撒き餌”みたいな立ち位置を理解して出演していたのかどうか。通常のドッキリでは、ターゲットの親しい人間を仕掛け人とするため、役割を伝えているはずですが、今回の玉置さんの役回りは、なんなら別に知らなくても成立する。
　とはいえ、すぐに本職の人だ、と気づいた視聴者のひとりとしては、どこまで事情を知っていたのか、種明かしが欲しかったところですが、この長篇、やたらと布石が多かったせいか、後篇放送前の現時点では説明がありません。何となく、このまんまほったらかしのような気がします。玉置さんがいたくだりは本筋ではないし、ドッキリ企画で、ドッキリを仕掛けられた当人にすら種明かしの有無を明かさないまま終わる、なんてことは『水ダウ』ではしょっちゅうですから。
　というわけで、驚いたり笑ったりしつつ、しかし同時に、水曜日以来抱えているモヤモヤは薄れないまんまなのでした。
　何にしても、『バンキシャ！』の話の内容から推察するに、この年の瀬は本業でも忙しそうな玉置さんが身体を壊すことなく、来年も普通に『そこんトコロ！』で赤酢の金庫に挑むところが拝めますように、と願うのでありました。

　……ネタが特にないから苦し紛れで書き始めたのに意外と長くなったではないか。