6月14日に、2021年8月リリースの『心霊曼邪羅30』を鑑賞。幽霊が出る、という噂のある神社跡に赴いた投稿者たちが遭遇した怪異と不気味なメモ《呪番号》、ダンスのレッスンを受けていた撮影者たちが帰りに公園で撮影した怪異《残された禍物》、占い師に運勢を見てもらった際に起きたという怪異を収めた映像を持ち込んだ投稿者に《偽りの投稿》前後編など、全7篇を収録。
巻を追うごとにレベルが上がるどころか問題が増えていく感のあるこのシリーズ、30巻というけっこうな本数を重ねてもなお問題だらけです。
前巻でも指摘した気がしますが、肝心の怪異が全般に見づらい。大抵はリプレイやクローズアップで際立たせてくれるんですが、それでも解りづらい。これも前に書いた気がしますが、あんまり際立たせると、合成の粗が出るのでやりたくないんだろ、とか勘繰ってしまいます。ちゃんと作れ。
ときどきシチュエーションとして面白いものはあっても、あんまり活かせていない。たとえば《残された禍物》は、ダンスの撮影をしてから荷物を置いたベンチに戻ると、見覚えのないものが置いてある、という展開そのものは面白い。しかし、最後の出来事があまりに有り体すぎて、全体の印象がボケてしまってる。交番に届けようとしたらいつの間にか消えてた、とか別の友人にも同じようなことが起きた、とか、そのくらいあって初めて際立つエピソードだぞ。
本来、いちばん力を入れるべき長篇《偽りの投稿》からして奇妙。“偽りの投稿”なんてタイトルをつけるところからして、投稿映像そのものに偽りがあって、そのうえで怪奇ドキュメンタリーとして掘り下げるべき内容があるのかと思いきや、どうも意味合いが違う。
違っていても面白いとか興味深い、とか言えるないようならぜんぜん構わないんですが、その投稿者の“偽り”も、スタッフによる追求も浅すぎて、観ていてもどかしくなります。
たとえ狙いがあって会いに行くとしても、占い師につく嘘があそこまで下手なのは意味が解らない。だって、占い師なら姓名や誕生日を訊くやり方の人はいるわけで、手法を知っているなら“嘘”の内容を詰めないのは不自然。たとえ訊かれたのが想定外だったとしても、あそこまで露骨なミスのある嘘をつくのは不自然すぎる。そこにも狙いがあるはずなのに、スタッフは何故そこから考え、追求しないのか。
そしてもっと不可解なのはカメラを構えてるバ……男性スタッフです。インタビュアーをしていた女性スタッフが不自然さを指摘しても、「たまたまでしょ」みたいな物言いをしている。気づかないのもアレだけど、同僚からの指摘を適当にあしらうような次元の低い奴をスタッフに使うな。っていうか、映像にその言動を残すな。私が演出や編集をやっていたら恥ずかしくてカットする。たぶんこのスタッフだと思うのですが、《呪番号》でも一目で解るような疑問点を、インタビューを担当する女性スタッフに指摘されていて、あまりに盆暗すぎる。展開の必要でそういう役回りをしているだけなのだとしても、
折角の前後編なのに、スタッフは後編で大したことをしていないし、新たに登場する映像については、スタッフの手持ちの映像と合わせて検証すれば色々と解ることがあるはずなのに、その点を掘り下げる努力すらしてない。
フィクションとして捉えたとき、投稿者が何らかの企みをもって映像を制作していた、ということや、後編での出来事は決して悪いアイディアではない。しかし、その状況にリアリティを持たせたり、より面白くする努力、工夫がまっっっったく足りてない。
普通、30巻もやってたら少しは成長しそうなものですが、いまいち発展が見られません。この巻が発売されたのはこれを書いている5年も前、いまはもうちょっと成長しているんだろうか……いちど、あいだを飛ばして直近の巻を借りてみるか……。
謎の質が低い。[レンタルDVD鑑賞日記その950]
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