そもそも徳丸さんは別行動で何してたの?[レンタルDVD鑑賞日記その955]

心霊~パンデミック~フェイズ32(Amazon.co.jp商品ページにリンク)

 7月30日に、2022年3月リリースの『心霊~パンデミック~フェイズ32』を鑑賞。廃墟に潜入した2人組が、周囲で噂される都市伝説に似た恐怖に遭遇する《きりきりさん》、引っ越したばかりのアパートで興味本位に幽霊を発見できるアプリを使った顛末《います》、メイド喫茶で働く女性が自宅で記録してしまった怪異を発端とする《なりすます》前後編など、全6篇を収録。
 1本目の映像のどこに何が映ってるのか解りにくい時点で、今回は駄目だなー、と悟ってしまった。
 予感通り、概ね駄目でした。比較的ましなのは《います》くらいのもので、他のエピソードは長篇単品問わずモヤモヤします。
 でもやはりいちばん引っかかるのは長篇《なりすます》です。ドッペルゲンガーを撮ってしまったかも知れない、と怯える女性の投稿者を取材するうちに思わぬ展開を見せていく、という筋書きですが、取材のプロセスも展開もリアリティと必然性に欠く。
 メイド喫茶で働く同僚たちの証言から、どうも投稿者には話に胡乱なところがある、という印象が生まれてくるのですが、そもそもこういう内容を喋るのに、顔も名前も出させる証言者、というのはあまりにもふてぶてしすぎる。収録当時は一緒に働いている、という設定なんだから、もうちょっと喋る内容に遠慮が出るか、せめて顔と名前を伏せたうえでないと、ここまであけすけには語らないのではなかろうか。話し方が芝居がかっていることもあって、ああ、露骨にフェイクだな、と思ってしまう。
 その後、言動に不審なところのある投稿者を、スタッフが尾行して調査しようとした結果、スタッフもドッペルゲンガーと思しき現象を記録してしまう、という展開になる。それ自体、ホラーの展開として充分に有りうるけど、そもそもスタッフの行動、追跡の仕方があまりに行き当たりばったりで、「この人たちはいったい何を目標に動いているの?」という疑問を生んでしまうのが大問題です。
 尾行するほうのスタッフは投稿者の予定すら下調べしてないし、投稿者が勤務するお店付近で待ち伏せているのに、発見した投稿者と思しき人物がどこに向かっているのか推測もしていない。たとえば、職場に向かっているならそう言及すればいいし、明後日の方向に進んでいるなら、そのことも追跡中なり、編集の過程で加えるべきです。そういう部分が何にもないので、観ていて本当にモヤモヤします。このとき遭遇した投稿者がドッペルゲンガーではないか、という可能性を示す展開があるのですが、そっちの証拠を映像として示さないのもどうかしている。だいたいなんでこのとき徳丸は別行動してたの? この番組、同時進行するほどたくさんネタ扱ってるの?
 終盤の展開と締めくくりも意味不明です。けっこう大きな事件が起きますが、付随する動画があの内容、というのはもっと注目すべきだし、どう考えても軽々しく扱っていいものではない。少なくともあれ、傷害事件になり得るし、病院が通報してたら、警察はあの映像で納得すると思う? 仮にそのあたりが片づいたとしても、あそこまで剣呑な出来事が起きてるのに、いまいちスタッフ、とりわけ徳丸に真剣味が感じられないのが不可解で、苛々します。特に徳丸、途中まで賢しらに雑な口出しばかりしていたくせに、ここだけいい子になろうとするな。
 決着も唐突でしっくり来ないし、観ている側にカタルシスがない。そして何より、これだけ事件が起きたあとで、あのオチはあんまり過ぎる。
 前巻とか29巻あたりは多少、心証が改善してたんですが、今回またガタ落ちになりました。演出にクレジットされてる方、出来のいい作品もあるんだけど、なんでこの《心霊~パンデミック~》シリーズだけ微妙になるのだろう……個人的には、初期から在籍している徳丸というスタッフのキャラ付けがずーっと間違ってるのが原因だと思ってます。実像がここまでヒドい、とは考えてないんですが、長年やってるのなら、もうちょっと改善する努力をしたほうがいいのではなかろうか。

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