10月11日に、2022年3月リリースの『心霊曼邪羅33』を鑑賞。人気のないYouTuberが事故物件だという知人の家で撮影を実施し怪異に見舞われる《故住人呪詛》、友人と旅行先で訪れたトンネルで不気味な怪異に遭遇する《妖トンネル》、幽霊が出るという噂の立った空き家を巡る長篇《棄てられた家》前後編など、全7篇を収録。
相変わらず、全般に映りこむ怪異が似たり寄ったりなのが気になります。顔の崩れた人間っぽいものが映りこむより、何だか解らないけど普通ならあり得ない現象が映る方がリアルだし怖い、と思っているので、どうもこの1点で私は点数を割り引いてしまう。
しかしやっぱり気になるのは、展開の不自然さです。冒頭の《故住人呪詛》が導入からしっくり来ない。
前篇はあるYouTuberが、撮影者の知人が借りているという“事故物件”で検証する、という内容ですが、登場人物と配置、状況から想定される反応とうまく合致しないのがどうにも気になります。あくまでもアパートの一室で住人は不在、いるのは投稿者と、一緒に動画に登場する知人女性のみ。浴室で異変が起きるのを待っていた女性が人影を見たとき、まず疑うのは別室にいるはずの投稿者でしょう。せめて、大声で異変を訴える、というリアクションがあってもいい。居合わせた者としての反応にリアリティがないから、怪異動画自体の怖さも弱めてしまう。映像の出来不出来以前の問題です。
たぶんいちばん力の入っている長篇《棄てられた家》も同様に引っかかることが多い。わざわざ怪異動画が撮影された現地まで取材に行っているのに、当初は現場検証を考えていなかった、と思われるやり取りは不自然すぎます。そんなに予算が潤沢にある製作チームではないはずで、検証もせずに済ませる、なんて発想があらかじめ出てくるのは不可解。投稿映像で確認された怪異と、この検証中に起きた現象、それぞれの反応にも釈然としないことが多い。だいたい、検証の際に聴こえてきたという変な音、動物の鳴き声という可能性を一顧だにしないのは何なのだ。せめて調べた結果をつけて、不気味さを引き立ててくれよ。
上で粗筋を挙げたエピソードはそれでも比較的面白いもので、他の映像は全般にいまいち。被写体が怪異にリアクションを取っていない時点で、借りた映像に加工しただけ、という疑いは拭えません。別にそこまではいいけれど、だったらせめて怪異のパターンは増やして欲しい。そして、ナレーションで添える“専門家”の解説を、もっと“専門家”らしくして欲しい。夕方に神社に行くな、というのを怪異に結びつけて持ち出すのはあまりにも素人じみてるぞ。
取材パートのあるエピソードは、内容的に少し凝ろうとする気概は感じて、それそのものは好感が持てるのですが、どうにも質が伴ってこない。もうちょっと考えて作ろうよ。
何を調べにわざわざ遠出したのでしょう?[レンタルDVD鑑賞日記その965]
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