当初は今日、観る作品は決めてあったのです――『耳をすませば』の4Kリマスターにするつもりだったのです。
が、同じくIMAXでの上映を掲げた『借りぐらしのアリエッティ』と同日ゆえに、IMAXスクリーンの枠を分け合っている。しかも、既に封切り済の他の作品にも枠は割かれますから、各々の上映回数が少ない。ラーメンイベントに合わせて来月上旬まで通い詰める予定のTOHOシネマズ新宿の場合、朝一番がまるで別の作品に割かれている。では別の作品とハシゴをするか、とスケジュールを練っても、こんどはラー1グランプリに立ち寄る時間がかぎられてしまうとか、1日新宿で過ごすことになるとか、あとあと色々具合が悪い。
やむなく他の作品にしよう、と探してみるものの、全体にいまいち、私の考えているスケジュールに合わない。で、あれこれ調べた結果――1本だけ、いいのがあった。
というわけで今週末も新宿へ。ちょこっとだけ早めに現地入りし、紀伊國屋書店で軽くお買い物をしてから立ち寄ることにしましたが、本当に時間がちょこっとすぎて、だいぶ慌てる羽目になりました。TOHOシネマズ新宿に着くと、いつもはチケットを発券してからまずグッズの売店に向かいパンフレットを買うのですが、開いているレジが1台しかなく、列の進みが遅いので、モバイルオーダーでドリンクだけ購入して急ぎ入場しました。寄り道するならあと20分は早く出かけるべきであった……。
あれこれ悩んだ挙句に鑑賞した本日の作品は、“キング・オブ・ポップ”のデビューから、ひとつの頂点に達するまでの姿を、往年の名曲で彩り描いた伝記映画『DMichael/マイケル(2026・字幕』(kino films配給)。
実はちゃんと観たかった作品ではあるのです。しかし、公開された6月頃は観に行くものを特に絞り込んでいて、鑑賞する余裕がありませんでした。もう、そのうち配信で観るか、と諦めていたので、たまたまとはいえ、スケジュールがぴったりハマったのは幸いでした。
かなり評判はよかったし、なるほど面白い。そしてこういう作りになった事情も色々と察しがつく。が、それでも個人的には、もうひとつ物足りない印象でした。
ジャクソン5としてデビューする経緯と、その過程での家族、とりわけ父との関係性を軸に、そこから如何に彼が自分の音楽、表現に辿り着いていくか、ということに絞って描いていて、その意味では無駄がない。随所に代表的な曲が鳴り響いて、昂揚感も豊かです。
ただ、よくも悪くも葛藤が少ない。ジャクソン5からジャクソンズへ、そしてソロデビューという一連の経緯での障害が実質、父親との関係性に絞られていて、解りやすいけれど、いまいち奥行きを感じないのです。同種の作品で言えば、『ボヘミアン・ラプソディ』や『ロケットマン』、『エルヴィス』のような厚みがない。
でもそれは決して悪いことではないとは思います。実際にはもっと様々な要素を含めようとしたものの、契約や配慮によって細かなものを排除し、マイケル・ジャクソンが父の影響を離れ、唯一無二のアーティストとして世界を熱狂させる存在になるその瞬間までほぼまっすぐ走り抜けていくので、解りやすく爽快感がある。そして、レコーディングやライブ、MVの撮影を、アーティストとしての成長と魅力を伝える要素として活かしながら、たっぷりと織り込んでいる。ファンにとっても充実感がありますし、あまりマイケルを知らない人であっても、この葛藤と昂揚感はとても伝わりやすい。作り手もあえてそう判断して製作したようなので、そのうえできちんと観客に受け入れられているのだから、作品としては成功してます――私がいまひとつ満足してないのは、あくまで好みの問題でしかない。
好みの問題を抜きにしても、音楽の質の高さやライブの臨場感、編集のテンポの良さ、何よりジャファー・ジャクソンによるマイケルの見事な再現性とか、評価出来るポイントはたくさんあります。間違いなく、魅力に溢れる作品だと思いますし、ロングランも宜なるかな。
鑑賞後は例によって大久保公園へ。ラー1GPにて、またぞろ食べ比べサイズで2杯食べてきました。
しかしやはり、雨が降る中でのこのイベントはちょっとしんどい。鞄から食券や、もう貯まる気がしないけど記録としてスタンプをもらうためにパンフレットを取り出すのにもまごつきますし、雨粒が入らないように傘を差して料理を持つのも神経を使う。雨の日は食べ比べサイズではなく、1軒に絞って通称サイズでいただくのが正解かも知れません……まあ、あらかじめセブンチケットで食券を買ってしまっているので、通常サイズにするには現地で食券を買い足さなきゃいけないから、それはそれで面倒なんですが。

TOHOシネマズ新宿、5階ロビーに展示された、ジャファー・ジャクソン、ジュリアーノ・ヴァルディ、グレアム・キングの直筆サイン入り『Michael/マイケル(2026)』ポスター。


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