『ARIA The BENEDIZIONE』舞台挨拶ライブビューイング付き上映 at TOHOシネマズ上野。

 2日連続の映画館通いです。きのうはともかく、今日はイベントつきなので時間が動かせません。いつもは自宅にて透析の準備をしている時間に当たっているため、透析休みの日を1日前倒しにしました。こういう便宜を図るのがわりあい簡単なのが在宅透析のいいところ。
 上野なので、雨でも降っていなければ移動は自転車。もう通い慣れた道なので、開映10分前には劇場に到着。ゆっくりチケットを発券し、プログラムとドリンクを買って着席すればいい――と思ってたら、開映時刻になると予告篇も抜きに舞台挨拶に突入するらしい。ここは飲食とグッズが別々のレジになっているため、とりあえずドリンクだけ購入して劇場入り。

 丸の内ピカデリーにて実施される舞台挨拶のライブビューイングは、松竹のかたの司会でスタート。
 登壇者は、晃役の皆川純子、あずさ役の中原麻衣、灯里役の葉月絵理乃、アリス役の広橋涼、監督の名取孝浩、そして総監督の佐藤順一。今回、姫屋のメンバーが中心の作品なのに、実質的ヒロインとなるはずの藍華を演じた斎藤千和は不在で、最初に録画によるコメントが流れました。
「人口を増やしてた」そうです。しかも3人目。だいぶお疲れの様子なので、そりゃあ致し方ない。
 動画のあとは登壇者の挨拶。シリーズ開始から16年、6年前の『ARiA The AVVENIRE』から続いた《蒼のカーテンコール》最終章、ということなので、司会の質問はその想いを訊ねるものでしたが、ほぼ全員、終わると感じてないらしい。確かに、このシリーズには「ずっと続いている」というイメージがあって、このあと上映された本篇の趣旨も、ここから続く未来へと繋げるものになっている。6年前の奇跡の復活からして、どこか「そうなるべくして生まれた」感があったため、また数年後に、3世代目となるアイ・あずさ・アーニャを軸とした新作が普通に出てきそうな気がします。とりわけ、新規メンバーでは唯一、舞台挨拶に参加した中原麻衣はまだ心残りがありそうなので、観る方としても期待したいところ。
 個々の話でおかしかったのは佐藤順一総監督で、シリーズ初期からやっているうちに、だんだんと「奇跡を軽んじる」ようになってきたらしい。何せ巡り逢うものすべてに奇跡と幸せを見出してしまう灯里が起点となってる物語ですからそれも宜なるかな。今回の新作にしても、タイトルの“BENEDIZIONE”が“祝福”を意味しているところに前述の斎藤千和の出産、それにテレビシリーズ1作目から幾度もテーマ曲を担当した牧野由依の妊娠があって、ついでに佐藤総監督のご長女が結婚されたそうで、本人的にはますます奇跡を舐めた状態になっている模様。
 原作でもアニメでも空白になっていた、藍華のドラマにも決着を付けて、物語としてはひととおり締めくくった感があるものの、登壇者が述懐していたように、こちらも完全に終わった気はしてません。新作としてここでピリオドが打たれる可能性も充分にありますし、それはそれで仕方のないことだと思いますが、また何らかのかたちで再開しても不思議はないし、たぶんそのときも私は映画版なら劇場に足を運びますし、他の媒体でのリリースであっても付き合うと思う。

 挨拶のあと、予告篇を挟んでいよいよARIA The BENEDIZIONE』(松竹ODS事業室配給)本篇……なんですが、実はそのあとが凶悪でした。
『開幕前~アリア社長からの挑戦状~』と題した、ミニゲームスタイルの上映があるのです。内容はいわゆる“アハ体験”で、キャラクター勢揃いのキーヴィジュアルが30秒のあいだに7箇所変化する、というもの。
 ……探せるわけがねえ。なにが凶悪って、答を教えないまま終わることだ! 灯里も言ってたがモヤモヤするぞ!!
 しかもこの映像、週替わりで5種類上映されるそうです……本当に悪質だ。入場特典が週替わりでしかも毎回数種類からのランダム、というだけでもなかなか凶悪なのに。ぜんぶフォローしようとお考えの方、ご愁傷様です。
 本篇自体は相変わらずの仕上がり、というか、はなから劇場版として製作された前作同様、全篇通して絵のクオリティが高く、それだけでも観ていられる。
 内容も、個人的には《蒼のカーテンコール》のなかでいちばん好きかも。名鳥監督が舞台挨拶で言っていたように、アリアカンパニーやオレンジぷらねっとの面々と比べて、視点や悩みが現実寄りで、普通に“刺さる”ものが多い。特に今回、中心で綴られるエピソードは、けっこう多くの人に響きます。それを踏まえたクライマックスの昂揚感、感動も秀逸。これまで同様に本篇は1時間なんですが、姫屋のメンバーに話を集約しつつも、これまでのシリーズの面影も随所に鏤めていて、穏やかだけど万感の趣がある締め括り。
 前述の通り、たぶん続きが作られるなら私は必ず観ますが、ここで終わったとしても文句はない。映画版ならではの想いを籠めながらも、いい意味で穏やかなフィナーレだと思います。

 鑑賞後は、脇目もふらずまっすぐ帰宅。営業時間短縮の要請も解かれたお陰で、20時を過ぎてもだいぶ賑やかになってました。そのせいで、客引きへの注意を呼びかける役所のかたも駆り出されてましたけど。

コメント

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