映画史に残る嘆き。

 プログラム切替直後の火曜日、なので午前十時の映画祭12を観てきました……諸々追い込み中でいっぱいいっぱいですが、週末から来週にかけての予定を考慮しても、けっきょく今日行くしかなかったのです。
 予報では、私が出かけているあいだはほぼほぼ雨。当初は歩いていくつもりでしたが、さすがにこの移動距離、ずっと降られた状態で映画館に入るのは先方に迷惑です。どのみち、出がけにお腹がぴーぴー言い始めたので、電車でないと間に合わない時間になってしまったんですが。
 いつものTOHOシネマズ日本橋にて鑑賞した今コマの作品は、ジェームズ・ディーン特集枠の2本目、ジョン・スタインベックの小説を映画化、聖書をモチーフに、家族の軋轢とすれ違いを繊細に描いたエデンの東〈4Kマスター版〉』(Warner Bros.初公開時配給)
 この前に『理由なき反抗』を観たときも思いましたが、出世作であるこの作品こそジェームズ・ディーン出演作のなかでいちばんの傑作だと思う。物語としての膨らみや、ディーンの演技の可能性を示した、という点では『ジャイアンツ』に軍配を上げたいし、その存在をカルチャーに祭りあげた、という意味では『理由なき反抗』も重要。しかし、ディーンの持つ魅力と演技力が完全に発揮されたのは本篇です。家族を愛し、尽くそうとしているのに理解されない懊悩を細やかに演じ、それが爆発するクライマックスのどうしようもない哀しさ。終盤の落とし方でやや安易に流れた嫌いはありますし、時代背景や思想に理解が及ばないともはや受け入れにくい物語でもありますが、それでも今後も残り続ける作品なのは間違いない。

 日本橋に来たとき、昼食の第1候補は常に日本橋ふくしま館です。特に、老麺まるやが来ていると、確実に最優先になる。きょうもまるやが出店していたので、なにも考えずにふくしま館へ。きょうも大盛りでいただいてきました。

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