朝から生憎の雨模様なので、きょうも電車にてお出かけ。向かったのは、最近また訪れる頻度が上がっているTOHOシネマズシャンテ。かけるのを単館上映メインにしてる劇場の方が、惹かれるものは多いのよね。
鑑賞した映画は、最盛期の《ビーチ・ボーイズ》の作曲、演奏、プロデュースを兼任し、アメリカ西海岸の音楽的イメージを確立、世界中のミュージシャンにも多大な影響をもたらしたブライアン・ウィルソンの半生を、本人や友人、彼を敬愛するアーティストたちの言葉で描き出したドキュメンタリー『ブライアン・ウィルソン 約束の旅路』(PARCO×ユニバーサル映画配給)。……なんか、最近ここでドキュメンタリーを観ることが多いぞ。今回は配給まで、一つ前に観た『ファイナルアカウント 第三帝国最後の証言』と一緒だし。
あらかじめ、ちょっとだけネットでブライアン・ウィルソンについて調べてから観に行ったので、成り行きはだいたい把握はしてました、が、やはり本人の言葉で語られる事実はちょっと違う。ブルース・スプリングスティーンやエルトン・ジョンも賞賛し、豊富なキャリアを誇るプロデューサーでさえ「どうやったら考えつくのか解らない」と言うほど独創的なサウンドの魅力について語る一方で、その背後に横たわっていたブライアンの苦悩を抽出していく。
多くを語りたがらないブライアンの言葉を引き出すため、交流の深い記者と車で記憶の場所を辿る、というスタイルで、断片的な言葉や表情を引き出しているのですが、それぞれの場所での態度が却って様々なことを物語っていて、ブライアンに共感してしまう。確かブルース・スプリングスティーンだったか、「彼は幸せになるべきだ」みたいなことを語っていましたが、どうやらいまは心置きなく伸び伸びと音楽活動に勤しんでいるようなのがとても快い。
方法論はとてもシンプルですが、ひとりの優れた音楽家の半生を、その音楽の魅力も含めてうまく凝縮した、いいドキュメンタリー。まんまとCDが買いたくなって、帰りに物販を覗いてしまいましたが、置いていたのはビーチ・ボーイズのベスト盤だったので、ちょっと悩んで断念。どっちかって言えばアルバムの体裁で、それも出来れば、苦難を乗り越えて完成させた幻のアルバム『Smile』が欲しかったのです。
鑑賞後はまたぞろ日比谷ラーメンアベニューへ。前回とは別のお店で新たに出したつけ麺を試してから帰宅しました。
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