プログラム切替直後の火曜日、ということで、午前十時の映画祭12を観に行ってきました。
先週金曜に続いて、劇場はTOHOシネマズ日本橋。この映画祭もきっちり2ヶ月ぶりにメインをこちらに戻しました。今回も朝が早いので、朝ドラを捨てて出かけました……さだまさしがナレーションをしているので、はなから録画設定してありますから、その点の心配はない。
鑑賞した今コマの作品は、巨人・黒澤明監督作品、シェイクスピア『マクベス』を日本の戦国に置き換え、野心に取り憑かれた男の末路を描く『蜘蛛巣城』(東宝初公開時配給)。
見出しの1件が有名な作品ですが、もちろんそれだけに留まらず、ひとりの武将が物の怪の甘言によって野心を後押しされ、破滅へと至るさまを重厚なタッチで描いている。昨今の感覚だと、さすがにひとつひとつの描写が時間をかけすぎている印象ですが、それ故に、テンポと呼ぶには静かな、しかし確かなリズムを生み出している。あとでデータを参照したら、能をモチーフにしている、という記述があって非常に納得。なるほどあの表情も動きも、そして要所要所で挟まれる謡いにもそういう意図が籠められてるのね。
冒頭では決して野心を示さなかった主人公・武時が、物の怪の予言が実現していくさまに幻惑され、周囲の状況と妻の言葉に促されるように権力を手にすると、まさに取り憑かれたが如くになっていく。制御出来ない人間の欲望が織りなす惨いドラマが迫ってくるような作品です。設定や道具立ては緻密でも物語としてはシンプル、黒澤作品としても決して長くはありませんが、重みのある傑作。海外では“シェイクスピアの映画化作品”として高く評価されているそうですが、それも宜なるかな。
鑑賞後は日本橋ふくしま館へ。先週は映画の時間が早く、家に帰っても昼食に間に合うから、という理由でまっすぐ家に戻りましたが、そもそも今日は母も仕事があるので、家に帰っても私ひとり。だったらここで食べていったほうが早い。
先週、お土産だけは買っていきましたが、イートインは実に2ヶ月ぶり。そのあいだに、イートインにタッチパネル式の立派な券売機が導入されていました。想定外で、ちょっとまごついてしまった……確かに、ここのようにメニューが頻繁に入れ替わるなら、タッチパネル式で簡単に入れ換えられる方が合理的よね。
お店はお馴染みの、そして最近いちばん贔屓にしている気がする老麺まるやです。いつもの喜多方ラーメンを大盛り……にはしなかった。今朝方にちょっと胃に痛みがあったので、普通で我慢しました。まあ、既にだいぶ落ち着いていたみたいで、けっきょく普通盛りではちょっと物足りなかったのでした。
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