気分転換に、脱走映画の傑作を。

 このところ毎月末恒例となった作業の追い込みも終了……したわけではなかった。ただ、先方の話では末日までは待ってもらえそうだし、確実に終わる目処は立った。この辺でいちどガス抜きをするのも大事、と思い、映画鑑賞にお出かけ――今朝までに片付けるつもりでチケット押さえちゃってたし。
 作品は、いつものローテーションなら2日前に観るはずだった午前十時の映画祭13上映作品につき、行き先はTOHOシネマズ日本橋。行きがけに用足しをしていたら、やや時間がギリギリになってしまったので、ちょっと高くつくけど徒歩での移動を省略できる電車を使用。
 鑑賞したのは、問答無用の大傑作、史実をもとに、ドイツ軍の捕虜収容所から集団での脱出を試みた連合軍兵士たちの戦いを描いた大脱走』(日本ユナイテッド・アーティスツ初公開時配給)。もう何度も観てて、コンプリートのために足を運んでいるだけなので、そもそも無理に頭から観なくてもいいし、作業が気になるならインターミッションあたりで切り上げてもいいのだし、気楽に観られるがゆえに気分転換として最良でもある。
 ……でもけっきょくやめられなくて全篇観てしまうのだな。もう本当にひたすら面白い。
 実際に行われた脱走計画を描いているので、実によく組み立てられている。警戒度の高さもリアルなら、それを掻い潜る捕虜たちのアイディアも生々しい。その一方、恐らくはフィクションとして組み立てられているであろう、登場人物たちの肉付けも巧みです。優れた統率力を持つ指揮官と、各々の工作のプロフェッショナルがいるかと思えば、基本的には一匹狼である人物もいて、それが集団での計画に加わる人間ドラマにも計算されたリアルがある。
 この時代のドイツ軍はなにかと悪逆非道に描かれがちですが、捕虜収容所を管理する空軍は捕虜に対して敬意を払い、やむを得ない場合を除いて引き金を引くこともない。そのスタンスが、緊張感を過度に高めず、適度な遊戯性を持った物語として楽しませてくれる――むろん、最後にはこの時代の狂気も現れるのですが、絶妙な匙加減でエンタテインメントとしての魅力、爽快感を保っている。まあ、途中で切り上げて帰るなんて不可能よね。

 鑑賞後はまたぞろ日本橋ふくしま館へ。いまイートインで提供しているのは、いちばんのお気に入りである老麺まるや。安定安心の美味しさなので、これも気分のリフレッシュには丁度いい。既に昼食時を過ぎていたせいもあるのでしょう、すんなり着席出来たので、注文から食事を済ませ退店するまで20分とかからず。
 このあと、ラストスパートに入ります……本当は仮眠のあと、透析の準備にかかる夕方までに一気呵成に仕上げたかったのですが、そう思惑通りにはならないのだ。でも今夜のうちには決着します。

コメント

タイトルとURLをコピーしました