まだ気になるイベントはやってますが、新宿に集中的に通うのはひとまず終了。またあちこちの映画館に足を運んでいきます。
というわけで、本日の行き先はTOHOシネマズ日本橋です。プログラム切替直後の火曜日、ではなく2週目ですが、ここを逃すと日本橋に確実に来るのが年末ギリギリまで延びてしまうので、取り急ぎ午前十時の映画祭13の上映作品を押さえにきました――そこまで義理立てする意味はないんですが、しかしまあ、TOHOシネマズ系列ではいちばんよく通ってるし、サービスもいちばん文句がないので。
鑑賞したのは、いまや巨匠となったリドリー・スコット監督が日本を舞台に撮ったクライム・アクション、アメリカで抗争絡みの殺人を犯したヤクザを捕らえた刑事達が、日本で更に過激な抗争に巻き込まれていく『ブラック・レイン』(ユニバーサル映画×UIP Japan初公開時配給)。
映画館での鑑賞は3回目くらいでしょうか。観るこっちの目が肥えるほどに、意外と繊細な工夫が感じ取れるようになって面白いのですが、作りが基本大味である、という評価は変わらない。いちおう日本文化への関心と理解は示してるんだけど、やっぱり思想と構造はアメリカ人なのよね。
そんななかに、細かなアクションや人物配置に必然性があったり、高倉健がアンディ・ガルシアと共にレイ・チャールズを歌ってる面白さなんかも今更ながらのように感じる。大阪ロケもしっかりとしたようですが、恐らくセットで再現されたであろう風景にやっぱり微妙な不自然さがあるのが笑えます。なんで『ブレード・ランナー』っぽいのか、と思ってたんですが、映像のトーンだけでなく、モヤがあっちこっちに立っているせいなんだな。
しかしやはり注目すべきは松田優作。実は、出番はそこまで多くないのに、圧倒的なインパクトでマイケル・ダグラスも高倉健も食ってしまっている。初登場のときの白目の鋭さ、極道の大物を前に一切物怖じしないふてぶてしさ、豪胆さは強烈です。撮影当時、既に病魔に冒され症状も強かったと言いますが、それを感じさせない鬼気迫る熱演。決して大筋では独創的とは言えないこの作品の価値を高めているのは、リドリー・スコット監督の傑出したヴィジュアル・センスと、松田優作渾身の演技であるのは間違いない。
鑑賞後は付近で外食。当初、訪れてみるつもりだったお店は、目当ての限定メニューが終わっていたようなので、久々に七菜蓮 神田とりそばに赴いて、まだ食べたことのないメニューをいただいてから帰宅。
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