黒柳徹子はこうして育まれた。

 まだ次の作業は始まってないので、今日はのんびり……はせず、普段の平日と同じくらいの時間に起床して、電車にてお出かけ。
 行き先は、昨年最後の映画鑑賞のときと同じ、TOHOシネマズ上野……正直なところ、気の抜けている年始にはちょっと朝早すぎる時間割だったのですが、ここはほんとに移動しやすくて助かる。
 2024年の映画初めに選んだのは、黒柳徹子のロングセラー作品をアニメ化、好奇心が豊かすぎて落ち着きのない女の子・トットちゃんが辿り着いた、一風変わった学校での日々を描いた窓ぎわのトットちゃん』(東宝配給)
 予告篇の時点で気になっていた1本です。原作は未読だけど興味はありましたし、興収はともかく評価も上々なので、これを今年の1本目に選びました。
 やや癖のあるデザイン、漫画的でありつつ絶妙に生々しいキャラクターデザインは好みが割れそうですが、作品としての質は高い。昨年最後に鑑賞した『屋根裏のラジャー』より日本の一般的なアニメーション表現を踏襲している一方で、トットちゃんの想像や夢というかたちで、斬新な表現も試みている。こちらも映像としての見応えがある。
 しかしやはり、物語としても実によく出来ている。好奇心旺盛で注意力散漫な女の子がどんな風に生き、どのようにして学んでいったのかを描く一方で、第二次世界大戦前夜頃から末期の空気感が生々しく織り込まれている。既に周囲の態度や言動に滲んでいた戦争の気配が、穏やかであったトットちゃんのシュイを侵蝕していく恐怖。そんな中で、小児麻痺の同級生との交流を軸に成長していくトットちゃんの姿が清々しい。この時代を扱った物語としては異例の時期に締めくくるのですが、静かで明白な成長の描写が清々しい余韻を残す。
 これも『屋根裏のラジャー』と同様、子供にはすぐに伝わりきらないと思う。けれど観ておけばいつかきっと響く。そして大人は、終始節度と気遣いに満ち、世間の厳しさと同時に優しさをも称えた良作。新年1本目としてはいい選択でした。

 鑑賞後は、開いている店がどのくらいあるか解らないラーメン店訪問はやめて、駅近くのケンタッキーフライドチキンで母の分も購入。けっこう賑わっていて、よりによって私が買ったタイミングで一瞬、肝心のチキンが品切れになっていた……5分程度の待機で済みましたが。

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