フライフィッシングは神との対話である。

 予報どおり関東は前夜に大雪となり、朝の街は真っ白になってしまった。朝方には雪は落ち着き、降るのは雨粒がぱらぱら、という具合になったので、足許は凍ったところよりシャーベット様のところが多く、思ったよりは歩きづらくない……それでもまあ、油断すれば転けるだろうけれど。ゆえに、予定していたお出かけは断行です。
 まあ、仮に雪が降り続けていたとしても、きょうは出かけていた。何故なら行き先はTOHOシネマズ日本橋、ここは直結する地下鉄駅があるので、自宅最寄り駅まで歩くことが出来れば辿り着ける。シャーベットになってたり凍結したり、不安定な足場に注意を払わずに済む。
 鑑賞したのは午前十時の映画祭13上映作フライフィッシングを通して交流してきた兄弟の異なる運命を叙情的な映像で描き出したリバー・ランズ・スルー・イット』(東宝東和初公開時配給)
 珍しく初公開の時に観ており、思い入れが強すぎてブルーレイが初めてリリースされた際に購入、のちに感想もアップしている。ただ、映画館で観るのは間違いなく初公開のとき以来です。どーしても、あの美しいフライフィッシングの場面を大スクリーンで観たくて、月曜日に別の予定があって映画鑑賞したばっかりなのに連日で出かけてしまったのです。たとえ雪で足許が悪くても。
 改めて美しく詩情に満ちた映画だと思う。決してドラマチックな物語ではなく、中心となる兄弟の関係はいちど殴り合いの喧嘩があるくらいで、ずっと一定の距離を保っている。ただ、そのとても身近なようで、お互いに踏み入ることの出来ない部分があり、どこか歯痒さがある。しかし、その距離感がリアルで、情緒豊かです。そんな家族の絆として描かれるフライフィッシングの描写が、もはや詩情すらたたえて美しい。
 なにせ明確な物語や軸があるわけではないので、退屈に感じる人もいるでしょうが、味わい深い上質の作品であることは確か。やっぱり大スクリーンで観たほうがいいわ、うん。
 ちなみにこの作品、どこかで権利がフランスに渡ったのか、私が購入したブルーレイはオープニングクレジットがフランス語になっていた。のですが、今回上映されたものはちゃんと英語でした。……あれ、なんでフランス語だったんだろうか。

 鑑賞後、映画館のあるコレド室町2を出ると、空気は冷たいけれど降っているのは雪ではなく雨。路面の雪もだいぶ溶けている。お陰でだいぶ歩きやすくなりました。
 本日は日本橋ふくしま館のイートインに初出店のところなので、是が非でもここで食べたかった。無事に堪能、けっこう美味しかったので、お土産用のものも購入して帰宅しました。

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