プログラム切替直後の月曜日は午前十時の映画祭14を観に行く日、ですが今日は切替直後ではなく月曜日ですらない。先週月曜日はまだ作業中、火曜日は作業が片付いていたとて疲れて映画どころじゃない。1週間経た昨日は、ゴールデンウィークの最終日で、午前十時の映画祭がそこそこの入りだとしても、コナンだなんだで劇場の混雑が予想できる。というわけで、観逃さないためには今日がギリギリでした。最終日の木曜に駆け込むのは奥の手。
しかし今日は正直、移動が辛かった。今週の時間割は9時15分と朝早く、しかも長期休み明けなので、たぶん普段はリモート中心で仕事をしている人も出勤を求められたりするのでしょう、いつも以上に電車が混んでいる。あまりの密度と圧に、私はしばらく片足で立っていた。久々にしんどかった。
乗車率が高いと電車の進みもやや鈍くなり、到着は思っていたよりギリギリになりましたが、それでも上映開始には間に合った。いつものTOHOシネマズ日本橋にて鑑賞した今コマの作品は、この映画祭ではもはや定番のオードリー・ヘプバーン主演作、自由恋愛の名のもとに優雅な生活をしながらも孤独を託つ女性の姿を描いた『ティファニーで朝食を』(パラマウント映画初公開時配給)。午前十時の映画祭では3回目の上映、私が観るのもこれで3回目。
オードリーのどこか浮世離れした美しさと、まるでハリボテじみた生活の中から不意に人としての本当の姿が現れてくるこの感覚はやっぱり見事。ハリウッドらしい華やかさが、絵空事めくけれど生身を感じるロマンスに着地していく展開にはちょっと寄ってしまう。
ただ、現代の人間が鑑賞すると、どーしても問題の多いと言わざるを得ない作り方をしてる。この映画を取り上げるときにまず目につくユニヨシさん(未だにどういう字を当てるのか解らん。由仁良?)の描写はもちろんですが、ティファニーで変なサーヴィスを求めてるのもいいのかどうか首を傾げてしまうし、はっきりと万引きを行ってるのもどーにも引っかかる。まあ、ここまでは昔だしフィクションだから、と飲むとしても、ラストシーンのあの行為は、すぐにフォローしていても猫好きとしてゾワッとします。
でも、だからこそ今となっては作り得ない類の傑作であり、民族描写の点でずっと問題視されつつ、鑑賞され続ける作品なのでしょう……ただまあ、先週末から続いた疲れがまだ残っている身には少々眠かったですけど。
鑑賞後は例によって日本橋ふくしま館へ。ここでは初めての遭遇となるらぁ麺おかむらのメニューを戴いてから帰宅。朝が早かったので、ふだんなら昼食を摂る時間には帰りついてました……でも、通勤ラッシュと被る時間割は出来れば勘弁して欲しい……。
TOHOシネマズ日本橋、エレベーター向かいの壁に掲示された『ティファニーで朝食を』上映時の午前十時の映画祭14案内ポスター。
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