なにがその男を駆り立てるのか?

 本日の映画鑑賞、行き先はユナイテッド・シネマ豊洲でした――別にどこでも良かったのですが、相変わらず早起きをしいられる時間割の多かった中で、ここがいちばん余裕を持てる時間割だったこともさりながら、このあいだ、駐車場が空いていなかったために断念したのを未だに引きずっていたのも大きい。ど・みそで昼飯食いてえ、が何よりのモチベーションでした。

 ただしまだ梅雨時、天気予報は芳しくない。というわけで、久々に電車で豊洲に向かいました……まあもっとも、前回断念したのが、駐車場が埋まっていてどーしようもなかった、というのが理由の全てと言っていいかも知れない。まだ通勤の混雑が続いている時間帯でしたが、劇場を目の前に引き返すよりゃマシ。
 鑑賞したのは、『ヒート』など熱い男の戦いに定評のあるマイケル・マンが、破産の危機に陥りながらも一発逆転を賭けてモーターレースに臨む男の姿を静かに熱く描くフェラーリ(2023)』(kino films配給)
 とにかく早いところ観ておきたかった1本だったのです。ラージフォーマットでの上映はなく、そういう意味ではどこで観たって問題はなかったので、ある意味では助かった。
 ……ただ、このところ体調が思わしくなく、昨晩眠る前に強めの風邪薬を飲んだ影響でクッソ眠かったんですね。そういうコンディションで観るには、思いのほか静かなドラマだったのが誤算でした。轟音で叩き起こしてくれる、と思ったんだけど、そこまでは至らず。
 ただ作品としてはシリアスで、終始ヒリヒリしてる。ともに会社を興した妻との関係は冷え、彼女には内緒で外に別の家庭を築いているが、戦時中に名義を分散したため、安易に妻と別れることも出来ない。経営に苦しみながら、ほんの僅かなミスで大切なドライヴァーの命を奪うレースから離れられない。随所で迫力のあるレースシーンも展開しますが、どちらかと言えばこうした葛藤が主体。
 しかし、だからこそクライマックスは不意を突かれました。ずっと予兆はあったし、あからさまに危険な行動があったので、当然の帰結ではある。とはいえ、衝撃はやはり大きい。
 ただそこから何か教訓が得られる訳ではない。自動車業界に大きな足跡を残した人物の光というより陰、功績よりも罪を描いている作品ですが、それをほんの数ヶ月に凝縮して見せている。シンプルだけど濃厚、人間の業のようなものが詰まっていて、観終わったあとに重みがある。
 ……でもやっぱりラージフォーマットで観たかったなあ。いまは『キングダム』とか、より大規模に上映されてる作品が多いので、たぶん無理なのも解ってるんですけどね。

 鑑賞後は、予定通りど・みそへ。このあいだ空振りしたときからず~っと食べたくて仕方なかったので、満足。
 お腹も満たされたことで、眠気はいよいよピークに達してましたが、そこを耐えて、日比谷に寄り道し、しまね館にて、明後日に予定されている酒林堂チャンネルを観ながらいただくお酒を購入。そしてようやく家へ。帰りついたときにはもはや意識朦朧として、荷物の片付けもそこそこに横になるのでした……が、動き回った興奮のせいで、すぐには寝付けず、これを書いている21時過ぎになってもまだ眠いままだったりする。今日は作業は諦めようかな……。

ユナイテッド・シネマ豊洲、スクリーン12入口脇に掲示された『フェラーリ(2023)』ポスター。
ユナイテッド・シネマ豊洲、スクリーン12入口脇に掲示された『フェラーリ(2023)』ポスター。

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