中学生でも、その本は早いかも知んない。

 まだ作業は終わっておりません。が、正直なところ、心身ともにちょっと疲労が深い。ここ数日の急激な冷え込みで引いた風邪がどうやら胃腸を責めてきていて、そのまんまだと作業にならないので、昨晩は日付が変わる前に薬を頓服、出来れば徹夜でギリギリまで詰めたいのを、いちおうざっくりと一段落したところで終わらせ就寝。翌朝、症状が落ち着いているのを見計らって、先日既にチケットを押さえていた映画を観に行くことに。作業の進捗次第では断念するつもりでしたが、気持ちを切り替えないと最後のスロットルがかからない気がしたのです。若干、起き出すのが遅くなりましたが、なにせ自宅からいちばん近いTOHOシネマズ上野でチケットを購入していたので、問題なく間に合った。
 鑑賞したのは、《踊る》シリーズ最新作の後篇、秋田で隠退生活を送る室井慎次が、警察を退いたうえで青島俊作との約束に向き合う姿を描く室井慎次 生き続ける者』(東宝配給)。前作が微妙なところで終わってしまったので、せっかくの先行上映を活用させてもらいました。
 ……正直、期待のハードルをくぐられた気分です。
 前作を観て、なんとなく制作陣の指針を察して、「だとするとこうかな」と予想したことはだいたいやっていて、しかもそれを飛び越えずに、バーの下をくぐってきてる感じ。やらんとしていることの解釈はどうやら間違ってないようだし、そのテーマの設定は悪くなかったと思うんですけど、肝心のストーリーが納得のいくレベルではない。
 もともと《踊る》シリーズはミステリでないのはもちろん、事件の全体像のリアリティや迫力で見せるタイプの作品ではないから、事件として歯ごたえに欠ける、不満の多い作品が大半です。例外として辛うじて挙げられそうな『交渉人 真下正義』なんか、監督・脚本とも《踊る》の主力スタッフではなかったりするし。そう考えれば、テーマを優先して、事件捜査としてのカタルシスは二の次にするスタンスは、このシリーズらしいっちゃらしい。でも、だとしても、です。
 経験を積み熟練してきたことで、映像としては見応えがあるし、場面ごとの演技には重みがある。でも、全体像がどーにもしっくり来ないので、たぶん今回もあんまり好意的には捉えてもらえないのではなかろうか。私自身、やりたかったことは理解できるつもりだけど、出来映えとしては及第点をつけられない。
 それでも、《踊る》シリーズとして、次に期待を持たせてくれる、という意味では嬉しい。『~敗れざる者』で提示された部分が色々と悲哀を帯びていたぶん、長い時を経て、快い次のステージを見せてくれることを期待したい。

 映画のあとは外食することが多いのですが、今回は朝早くの上映、まっすぐ家に帰ってもお昼時。母には帰って食べる旨、伝えてあったので、まっすぐ帰宅。

TOHOシネマズ上野、スクリーン2入口脇に掲示された『室井慎次 敗れざる者』チラシ。
TOHOシネマズ上野、スクリーン2入口脇に掲示された『室井慎次 敗れざる者』チラシ。

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