手こずっていた作業も一段落したので、今日は今年最後の映画鑑賞です。
母も今週は朝の仕事がないため、うっかりすると叩き起こされず寝過ごすことも考えられたので、前日はいつもより早く就寝――うっかり、FODで先行配信された『世界で一番怖い答え』の最新作を堪能した勢いで、配信されてるいちばん古い回からもう1回観直そうとしてしまいましたが、なんとか理性を取り戻した。
無事に早めに起床し、電車にて向かったのは、TOHOシネマズ日本橋。鑑賞したのは午前十時の映画祭14上映作品、ヴィットリオ・デ・シーカ監督、ソフィア・ローレン&マルチェロ・マストロヤンニ主演、戦争によって翻弄された夫妻の悲劇を描いたメロドラマ『ひまわり(1970)』(ブエナ・ビスタ初公開時配給)。
最初に午前十時の映画祭に選ばれたときは権利の都合でいちどキャンセルされ、その後、リマスター版が公開されて以降に改めてラインナップに加わった、という紆余曲折を経た作品ですが、いまや映画界におけるウクライナ支援の象徴めいた立ち位置になり、なんかずっと劇場でかかっている気がします。
導入こそ鬼気迫る雰囲気がありますが、過去に遡った序盤はちょっとコミカルでもある。しかし、戦争が終わってもなかなか戻らないアントニオを待ち続け、遂にロシアへと旅立つジョヴァンナの姿は悲愴です。そしえその結末もまた。
一方で、1970年に本篇が撮影された、という経緯が一種のドラマを孕んでいて、もはや映像そのものの価値が高い。ソビエト連邦時代のモスクワを中心に歴史的建造物で撮影し、物語の象徴となった一面のひまわりは現在のウクライナで撮影されたという。他の映画ではお目にかかれない空気感は、見知らぬ土地で夫を探すジョヴァンナの寂寥と呼応して、より深い印象をもたらしています。ロシア、ウクライナの現状と相俟って、余計にもの悲しさを滲ませているようにも映る。
切ないラストシーンと際立った音楽で、もともと忘れがたい映画でしたが、よりその存在感を増したように思います。1年の映画鑑賞の締めくくりとして悪くない1本でした。
鑑賞後は毎度のごとく、日本橋ふくしま館へ。私の大好きな老麺まるやが一昨日から今日までの3日間、今年最後の出店をしていて、映画鑑賞もここに合わせるつもりでした――午前十時の映画祭14にするつもりまではなかったんだけどね。
もうオフィス街は休みに入っているので空いているかと思いきや、映画館の入っているコレド室町と同様、行楽の人出でけっこう賑わっており、ふくしま館のイートインでも待ち時間が発生した。当初、残っていればチャーシューメンを注文するつもりだったものの、3日目だからなのか、普通の喜多方ラーメンのみ。仕方ないので、大盛りで注文。
ただ、或いはもともと、サービス用にチャーシューは残しておいたのかも知れません。番号を呼ばれて受け取りに行った際、お店の方が「いつもありがとうございます」とチャーシューを1枚追加してくれました……或いは、ここでも覚えてもらったのかも知れません。ここのところ、出店のたびに1回は訪れてるし。
作業が一段落していて、時間的に余裕があるので、欲しい漫画が1冊あったので、在庫があると思しいお店まで歩いていこうかな、と思ったのですが――今日は少々、お腹の調子が良くない。道半ばで耐える限界が近づいてきたうえ、終盤のルートで大混雑間違いなしのエリアがあるのを思い出して、断念しました。まあ、大盛りの分は消化できるくらいの距離は歩いたはずだし。
TOHOシネマズ日本橋、エレベーター向かいの壁に掲示された『ひまわり(1970)』上映当時の午前十時の映画祭14案内ポスター。
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