「天は我々を見放した」

 このところ作業でいっぱいいっぱいで、映画鑑賞のタイミングがなかなか掴めません。なので、とりあえずひと区切りついた今のうちに、観ておくべきものは押さえることにしました。
 ……が、決断が遅すぎた。開映は8時50分、いつもより早めに起きねばなりませんが、なにせ私は作業明けでまだ疲れが残ってる。放っておくとなかなか起きられないうえ、仕事で出かける用事のある母も、私が早めに出たい、という事情を知らなきゃ、自分のタイミングでないと起こしてくれない。目が覚めたときには、「あ、これ、間に合わない」と悟りました。
 ただ、今日観に行ったのは午前十時の映画祭15上映作品。感想がまだ書けていないものもあるけれど、かかっている作品はすべていちどは鑑賞している。コンプリートと復習のために観に行くようなものなので、間に合わなきゃ途中から観てもいいのです。
 というわけで、あえて焦ることなく、バイクにて移動し、今日の目的地であるTOHOシネマズ錦糸町 オリナスに到着したのは既に開映から20分。鑑賞したのは、1902年に起きた日本山岳史上最悪と言われる遭難事件の一部始終を、新田次郎の秋雪をベースとして映画化した大作八甲田山<4Kデジタルリマスター版>』(東宝初公開時配給)
 出遅れましたが、雪中行軍には余裕で間に合いました。やっぱりこの作品は、八甲田山の雄大で、それ故に過酷な自然に翻弄される人間の姿を目撃するものなので、最悪ここだけ観ればいい、というところには立ち会えました。
 序盤を落としても、やっぱり際立つのは、慎重に用意し、先人や現地の人々の知見を尊重した弘前第三十一連隊雪中行軍隊と、細部を軽んじ、意思の統一を図ることも出来なかった青森第五連隊雪中行軍隊の差です。実は装備自体にも結構違いがあったようで、そういうところまで含め、万事において、雪の八甲田山の怖さが浮き彫りになる。実際に凍える寸前まで臨んで撮影された映像の迫力は、大きなスクリーンで触れるべきだと思う。

 鑑賞後は、錦糸町駅近くにある双麺 錦糸町店へ……こっちのほうがむしろ主目的です。ここの極太平打ちつけ麺がすっかりお気に入りになってしまって、時折無性に食べたくなるのです。
 ほぼ毎回注文している極太平打ちつけ麺 味噌と、ポイントカードの権利を使って、鉄鍋餃子をいただきました。基本的に小食なので、ふだんサイドメニューは頼まないのですが、そんなことを言っているといつまでもポイントカードで貰える権利が消化出来ないので、思い切って使用しました。つけ麺自体お気に入りですし、ここの餃子も好みだし。何より、今回初めて、酢コショウにつけて食べてみましたが――確かに美味しかった。餃子の具材そのものが持つ旨味を引き立てている感覚があります。そりゃあ五郎さんもハマるわ。
 食後、駐車場に戻り、精算をして離脱。今更ながら、ここの駐車場は事前精算が出来るのを知って、利用してみました。ゲート前だと、後ろに車両が待っている状況で支払いに手間取るのが心苦しかったのですが、これだと楽です……移動手段に困らないことや、好きな飲食店が複数ある錦糸町界隈を、もっと積極的に利用したくなってきました。

TOHOシネマズ錦糸町 オリナス、スクリーン8入口脇に掲示された『八甲田山〈4Kデジタルリマスター版〉』午前十時の映画祭15上映当時の紹介記事。
TOHOシネマズ錦糸町 オリナス、スクリーン8入口脇に掲示された『八甲田山〈4Kデジタルリマスター版〉』午前十時の映画祭15上映当時の紹介記事。

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