取材の前に下調べしようぜ杉本![レンタルDVD鑑賞日記その729]

  昨年8月リリースの『Not Found 42 -ネットから削除された禁断動画-』を鑑賞。特ダネを追っていたライターが遭遇した衝撃の出来事“首を出したら”、10年間眠っていない、と自称する男に関心を持ったAD杉本が例によって勝手にやらかした“超人 寝ない男”、墓地を定点観察する動画を配信していた女性の発見から始まる恐怖の前後篇“死後結婚”など、全6篇を収録。
 今回もまた安定の仕上がり。冒頭のグロ映像に、AD杉本の単独行動が引き金となるコントみたいなエピソードに、怪奇映像単品複数と前後篇のドキュメンタリー、という構成。
 毎回けっこう微妙な代物も多い印象ですが、今回は比較的クオリティが高い。まあ、細かいことを言えば、“首を出したら”はそこまで綺麗にいかんやろ、とツッコみたくなりますし、単品のエピソードの映りこみ方がほぼ一緒、というのはちょっといただけない。対照的な怖さを演出したかったのかも知れませんが、特に印象も違わないので、あまり差別化自体も出来てないのはどうなのか。
 ただ、杉本シリーズの下らないけど意表をついた展開と、前後篇のドキュメンタリーの、超常現象を執念が上回るような怖さは秀逸。一番怖いのは人間、と安易に括るわけではなく、前提に、古来からある習俗と強固な思い込みがあり、そのうえで辿り着くおぞましい結末が実にぞわぞわと来ます。このシリーズでは、率直に言って珍しく、素直に「怖い」と言える仕上がりでした。

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