走れカンナ、雨のなかでも。

 火曜日の映画鑑賞は、先週土曜日と同じくユナイテッド・シネマ豊洲です……むろん考えたんですよハシゴの可能性は。しかし、目当ての作品同士がどうしても噛み合わず、仕方なく分離したのです。豊洲で観るのが義務だと思っていた『キャッシュトラック』と別に観るなら、なにも豊洲で観る必要はない……んですが、若干理由はある。説明はあとまわし。

 火曜日に観に行く、と決めた時点で、天気予報は雨を示していた。それゆえ、今日は電車移動を想定し、そのつもりで映画鑑賞のあとの予定も組んでいた。
 ……まさか前夜になって、天気予報が改善するとは思わなんだ。
 気づけば予報から雨マークが消え、曇りだけになっている。しかし、曇りで降水確率30%、というのはいつ降ってきてもおかしくない。
 朝になってみても、どんよりとはしているけれど、とりあえず降ってはいない。ギリギリまで迷ったあげく、予報の改善に望みをかけ、バイクを出しました。こんな微妙な空模様なので、駐車場も空いていた。
 鑑賞したのは、大好きな母親を喪った心の傷に苦しむ少女・カンナが、神在月の出雲で催される神議(かみはかり)に捧げる土地神たちの供物を届けるため奔走するファンタジー神在月のこども』(AEON ENTERTAINMENT配給)。今年も島根には行けなかったので、そのぶん映画でくらいは駆けつけたい心境で。
 意外にも、というのはちょっと失礼かも知れませんが、なかなか見応えのある作品でした。昨今の主流からスルト少しもったりとしたデザインと作画なので、馴染みにくいひともいるかも知れませんが、映画に相応しく動きは豊かで華やか。ちゃんとそれぞれの名称や性質を押さえた神々のデザインもけっこう愛らしい。
 きちんと出雲神話のモチーフを反映させながら、低年齢層でも親しみやすいよう、ストーリーがいい意味で煩雑でないのも好感が持てます。もともとは知るのが大好きだったのに、それが母の死と結びついて走ることに恐怖さえ覚えるようになったカンナ。その鬱屈した想いを抱きながらも、神使の白ウサギやライヴァル的に登場する鬼とともに旅を続けるうちに成長していく。トラブルにも、“八百万”と言われるほどに神の遍在する日本だからコソの趣向を採り入れていて、大人としても唸る仕掛けがある。
 終盤でカンナがある心境に至るまでの道筋にもうひとつわかりやすいフックがあった方がよかったのでは? という嫌味はちょっとありますし、全体で観ても荒削りさが目立つんですが、それでも熱意と誠実さが感じられる好篇。陽気のせいもあってか、私の観た回は私含めてふたりしかいなかったぽいんですが、もっと入って欲しいなあ。

 ……映画を観ながら、イヤな予感はしていた。なにせ、劇中ほぼずっと雨が降っている。そうでなくても日本海側の島根は雨の日が多い。こりゃあ、たぶん雨を呼ぶ映画だな、と。
 案の定、降っていました。
 しかし、もうここまで来てしまっているから、バイクで帰るしかない。一瞬、雨脚が弱くなった隙に出発。いつものルートではなく、まず日比谷方面に走り、いつもの駐車場へ突っ込んで、日比谷シャンテへ。
 更に雨を被る危険を冒してまでここに来たのは、昨年にここの地下に移ってきた日比谷しまね館にて、1500円以上購入のうえ『神在月のこども』の半券を提示すると、記念品がもらえる、というキャンペーンを実施していたから。別に映画専用のグッズ、というわけではなさそうですが、ちょうど欲しいものもありましたし、せっかくなので貰いにいってみた。
 目当ての品物とは――『秘密結社 鷹の爪』と島根県のコラボ商品、島根自虐カレンダー2022です。だいぶ前からいちどは買ってみたかったのですが、毎回時期を逃して入手出来ずにいた。ちょうどこの新商品が出る時期だったこともあり、これとお菓子あたりを一緒に購入して、グッズをもらおうと思ったわけです。
 ものはお守りと天然石。数種類からランダムにもらえるそうですが、私はお守り袋にウサギがあしらわれているだけで満足です。もともとウサギとは縁が深いのだ私は。

日比谷しまね館の観光案内コーナー前に掲示された、『神在月のこども』記念品贈呈の案内つきポスター。
日比谷しまね館の観光案内コーナー前に掲示された、『神在月のこども』記念品贈呈の案内つきポスター。

 買い物を済ませ、シャンテを出てきてみても、やっぱり雨は降ったまま。当初はガード下のカレーうどんのお店で昼食を摂るつもりでしたが、さすがにガード下は寒い、と思い、同じガード下ではあるけれどしっかり扉のある日比谷ラーメンアベニューに赴き、前回とは違うお店のものを注文しお腹を満たす。
 食事を済ませても、相変わらず小雨が降っている。ここまで濡れたらもうどんだけ降ろうが一緒だ、と腹を括り、家路に就きました――スリップしないよう用心しつつ。

 なお今日は、宿題になっている映画感想を1本、仕上げてアップするつもりでしたが、夕食後から左目が不調を来して、モニターを眺め続けるのがしんどい状態になってしまいました。故にこの項も日付を越えてしまったわけです。
 正直、作業をするのもしんどいので、今日はもう休みます……お仕事の方も仕上げだったんだけどなあ……。

コメント

  1. […]  10月12日、またぞろ小雨の降る中、当初はカレーうどんを食べに行くつもりでしたが、ガード下とは言え空が見えるところで食べるのはちょっと抵抗があったので、約1ヶ月ぶりに日比谷ラーメンアベニューを訪ねてみました……ここも厳密にはガード下なんだけど、ちゃんとドアで仕切られてるし。 […]

  2. […] 英題:“Child of Kamiari Month” / アニメーション監督&ストーリーコンセプト:白井孝奈 / 原作&コミュニケーション監督:四戸俊成 / 脚本:瀧本哲郎、四戸俊成、三宅隆太 / 脚本協力:白井孝奈、坂本一也、葦澤恒 /  […]

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