どうせ“踊る”なら、楽しまなきゃ。

 今週3回目の映画鑑賞に行ってきました……久々に多い、けど、こうしないと本当に、観たい作品がフォローしきれないのです。本当は昨日も観たい作品が封切られてるんだよ、でも後回しにせざるを得ないのよ……。
 またしても接近中の台風の影響でまたぞろ生憎の空模様。しかし今日は、母も一緒に行くことになっていて、予定日の変更は出来ないのです……まあ、そもそもその前提でチケット押さえてるから、どのみちなんですが。
 劇場は一昨日と同じくTOHOシネマズ上野。上映開始は9時5分ですが、同時間帯にかかっている他の上映作品がけっこう席が売れていたため、たぶん混雑するだろう、と母を促し、ちょっと早めに到着。案の定、開場ちょっと前にも拘わらず、けっこうな人出。パンフレット――は売り切れで買えませんでしたが、ドリンクを確保した頃にちょうど開場となったので、タイミングは間違ってなかった。
 鑑賞したのは、人気シリーズの正篇として14年ぶり、スピンオフでも《室井慎次》2部作から2年ぶりとなる最新作、警視庁捜査一課の刑事となった青島俊作が東京全域を奔走する『踊る大捜査線N.E.W. メトロポリスを駆け抜けろ!』(東宝配給)。
 公開直後は連休中で混雑するだろうし、かといってこちとら連ドラからの視聴者で、あんまり遅らせたくもない。母も同様なので、相談の結果、今日というタイミングで出かけたのです。
 公開から一週間経って、なるべく拒絶していたけどちょこちょこ情報が届いてしまい、どうも今回もちょっとシリアスで笑い少なめ、とかいう表現をよく見かけたので、若干不安を抱えつつ観に行ったのですが――果たして皆さんはおんなじものを観たのだろうか。これはセルフパロディでもあり、れっきとした初期連ドラの空気感への回帰です。
 ミステリとして、刑事ドラマとしては非常にツッコみどころが多い。さすがに捜査の成り行きや、犯行内容、動機に対する理解が粗雑すぎるし、偉そうな口を利いている上層部や、青島たちに絡まない捜査員たちがあまりにも無能すぎる。
 が、そんなのは連ドラのときからであって、そもそもこのシリーズに期待されているものではない。このシリーズの面白さは、組織というものの戯画化としての警察機構と、その中で苦しみつつもある種、楽しんでいる登場人物たちの奔走ぶりと、無数の小ネタにあります。
 相変わらず場当たり的な発想で、経験値ゼロの新人キャリアを捜査本部長に起用する上層部もそうだけど、色々と振り回されてる父親真下もある意味、道化としてその流れにちょっと加わって現場を掻き回す一方、青島は随所で年齢を感じさせる言動をしながら、いい意味で本質は変わらず、悩み苦しみながら全力で刑事をやっている。その対比と軋轢でドラマを生みつつ、現場では随所でコミカルなやり取りを繰り広げてる。
 実はこのシリーズは最初から往年の映画からネタを拝借しているのですが、今回はそれが序盤から顕著――というか、何なら冒頭はほぼほぼ、シリーズのセルフパロディなのです。そのあとにもあっちこっちで細かなネタが仕込まれていて、シリーズ初期からの視聴者としても映画好きとしてもニヤニヤしっぱなし。いちばん笑ったのは、お約束である警視庁円卓会議室のシーンです――真面目な話をしているのに、一部の人は笑いが止まらないっていう。
 そして、旧メンバーの新しい顔、意外な側面ばかりでなく、新しい面々の言動、青島との絡み方もいちいち楽しい。初登場の趣里&白洲迅とのやり取りもそうですが《室井慎次》2部作で登場した松下洸平演じる桜章太郎の青島との初絡みもなかなかに面白いし、何より、実は2度目の登場だけど青島とは絡んでいなかった、佐々木蔵之介演じる現捜査一課長・北丘雲斗との関係性も趣がある。
 映画なら単独で成立するべき、と思っている人には不満だらけの作品だと思います。私も基本はそれが理想だと考えているクチですが、一方で、シリーズならではの魅力を引き継ぎ、その世界観の中で作り上げる面白さだってあっていい、と考えてもいる。間違いなく本篇は、“いま”の《踊る大捜査線》としてしっかりと作られている。織田裕二自身が番宣で口にしていただけでなく、本篇でも続篇への含みを持たせていましたが、ここまでやったからには続篇も作るのがスタッフの義務だとすら思います。たぶんだが、スタッフにはまだ心残りがあるでしょ?

 天気予報では終日雨でしたが、劇場を出たときは傘も要らない程度の降り。とはいえ、いつ酷くなるかも解らないので、映画館近くのケンタッキーで昼食を購入して帰宅。
 なお、21時くらいまでには本項を概ね、更には感想の下書きを粗筋部分まで書き上げられていましたが、そのあたりからテレビ放送されていた『交渉人 真下正義』を観ていたので、更新が遅くなったのでありました。個人的には《踊る》シリーズの中でミステリ・サスペンスとしてはこの『~真下正義』がいちばん出来がいいと思ってます。

TOHOシネマズ上野、スクリーン3入口脇に掲示された『踊る大捜査線N.E.W. メトロポリスを駆け抜けろ!』チラシ。
TOHOシネマズ上野、スクリーン3入口脇に掲示された『踊る大捜査線N.E.W. メトロポリスを駆け抜けろ!』チラシ。

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