……ほんとは今日は行くつもりはあまりなかったのです。４ヶ月にいちどの眼科通院の日で、私は必ず瞳孔を開く目薬を点されるので、夕方頃までは光の強いところを行動しづらい。
しかし、天気は雨。普通なら“生憎”とつけるところですが、今日の私にはありがたい。何せ、陽射しが弱いので、わざわざ日陰を選んで歩く必要もない。そもそも雨が降ってますから、傘が更に光線を和らげてくれる。
とはいえ、通院は朝9時、基本的に異変がなければ、どれほど遅くとも10時には片がつく。今日は患者もやや少なめで、家に帰り着いたのが10時前。
けっきょく、一息ついたら、もういちど家を出ていました。だって、家にいても、目がこの状態では出来ることも多くない。そして、このコンディションだからこそ、未だ小雨のぱらつくこの陽気が有り難い。
と、いうわけで、やって来ました、待望の大つけ麺博です。
会場は例年通りの大久保公園。裏側から回り込みながら、店舗のブースと飲食スペースを守るテントをちょっと感慨深く眺める。
ただし、まるっきり従来通りではない。まず出口と入口は別になっている。そして入口では、消毒と検温を実施するためのゲートのようなものが設けられている。人の流れの制御と、混み合った場合の入場制限を実施するためだと思われます。こればっかりは致し方ない。
また、従来のような食券システムではなく、各店頭での精算になっている。しかも現金は使用不可、すべて電子マネーです。現金派の方には困ったシステムですが、しかしそのおかげで食券販売用の区画が不要になり、たぶんそれでいちどに出店出来る店舗が増えている。入れ替わりで１日ずつ取ってますから、タイミングによってはフルにブースが開いてない場合もあるみたいですが、まあさすがに同時出店できる８店舗すべてをコンプリートしたがる剛の者はそこまで多くないでしょう。
生憎の陽気なので、初日といえど人出は鈍いのでは、と見込んでいたらとんでもない、11時半に到着した時点でけっこうな人の入り。各店舗、けっこうちゃんと列が出来ている。既に公式サイトでリサーチ済ですが、いちおう各店舗の様子を眺めつつ、第１候補に考えていた中華蕎麦 沙羅善のブースに向かった。
……見たことのない行列が出来てた。
このイベントは各ブース前に列が作れるよう一定のスペースが設けられています。多少はみ出すことは、人気店ならよくあることですが、沙羅善の列は公園フェンス際に設けられた立食用のスペースを何ブロックか埋めて転用するくらいに伸びている。少なくとも私の知る限り、このイベントでここまで列が伸びていたことはない。
確かに今日はこのあと、用事はない。待とうと思えば待てます……が、正直なところ、並ぶこと自体はそこまで好きではない。通常の待機スペースの中ならまだ耐えましたが、これは厳しい、と思って、もともと考えていた第２候補のお店に変更しました。こっちも並んではいましたが、許容範囲内。
３年振りの大つけ麺博１杯目は、名古屋から参加した麺家 獅子丸の伊勢海老の濃厚味噌らぁめんです……まだレポートアップしてないが、おとといも海老ポタだったんだよ。まあいいけど。10月は栄養過多になるの覚悟の上だし。未だ小雨が降っているなかなので、傘を持ちながらの待機、そして飲食スペースへの移動に少々難儀しましたが、まあこれも一興。
名前通り、伊勢海老の味たっぷりなラーメン。スープをひとくち啜るといきなり海老風味。味噌っぽいコクもありますが、海老味噌と同化してけっきょく味噌。
パンフレットの説明では中太麺、とのことでしたが、実際はギリギリ中細の、ほんの僅かに縮れた印象の麺。移動とかに手間取ったせいもあってか、麺の歯ごたえはもちもちよりやや柔らか、という印象ですが、舌触りが滑らかで食感は心地好い。濃厚なスープもよく吸いあげてくれるので、ず～っと海老風味。
具材はチャーシュー２枚に半熟味玉、かいわれと、沈んでて見えませんがモヤシも入ってます。トッピングでの増量は可能ですが通常メニューは全店共通して900円、という制約があるからか、見た目は正直寂しい。ただ、薄めでもしっかり肉の脂と風味があって柔らかなチャーシュー、海老の風味を邪魔せず適度にコクを加える味玉、そして足りない歯応えをちゃんと演出するかいわれにモヤシ、とバランスはきっちり保ってる。濃厚だけど決してクドさのないスープの飲みやすさがまた素晴らしく、この分量ならいいだろう、と思い切って飲み干してしまいました。
お昼を境にどんどん気温が下がっていく陽気ゆえに、箸をつけていたときにはいくぶん冷めていたようですが、それでも充分美味しかった。たぶん、お店の方が「熱々なので注意してお持ちください」と言っていた直後の段階なら、もっと美味しかったのではなかろうか。と考えると、やっぱり雨が降っていない方がよかったし、やっぱり実店舗のほうがいい。名古屋に行く機会があれば立ち寄る候補に必ず入れておきたい、確かに美味しい１杯でした。
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