大つけ麺博2024、6杯目は仙台辛味噌と未知の味。

 11月1日の出来事。
 詳細は当日に記したとおり。予定を変更しての訪問です。映画鑑賞のついでもないので、本の買い物だけしてほぼ会場に直行。お昼時より少し早い時刻なので、並んでいても数人ほど。心置きなく選べます。
 毎度ながら、いちおう「これが食べてみたい」という候補は選んでいる。しかし最終的な決め手は当日の直感、そして胃の調子です。この日は徹夜続きで胃の調子は思わしくなく、濃厚な豚骨魚介はちょっと辛そうなので避けたい。
 悩んでいたら、「2杯目にいかがですか」みたいな呼び込みが聞こえた。向こうが自分から2杯目でいける、と言っている、ということは、たぶん胃の弱っている今でもいける。もともと候補に考えていたところだったので、ここに決めました。

あはれのシン・仙台辛味噌つけ麺、トッピングは味付玉子。

 選んだのは、仙台のあはれ提供、シン・仙台辛味噌つけ麺。トッピングには炙りチャーシューと手作り海老ワンタン、そして味付玉子が用意されている。注文するときにはこれらをセットにした特製トッピングを薦められましたが、胃の調子も不安なので、いつも通り味付玉子をチョイス。
 まず見た目がちょっと個性的です。麺は恐らく多加水の中太ストレート。こちらには具材は乗っておらず、商品名にある辛味噌はトレイの小さな受け皿に収まっている。
 目を惹くのはつけ汁です。ちょっと驚くほど白い。受け取ったときはあえて詳細は聞きませんでしたが、最初は白湯かと思った。一見しただけでは具材は解らず、刻んだタマネギらしきものが窺える。
 店頭には、食べ方の案内が記されていた。それによると、まず麺をそのままつけ汁に漬して食べ、次に添付の辛味噌を麺にあえて混ぜそば感覚で味わい、それから辛味噌とあえた麺をつけ汁に漬す。そしてスープ割りも用意しているので、1杯で3段階の楽しみ方が出来る、というスタイルらしい。
 指示に従い、まずは麺をそのまま漬して啜る。
 ……何これ。説明にもそう書いてあったとおり、第一印象が「何これ」です。
 あとでお店の方に確認したところ、つけ汁は豆乳と味噌を合わせ、お酢を加えたものらしい。だから、味噌の塩味とコクがある一方、ほどよい甘みもあり、そして酸味もある。強いて言えば、東北でぽつぽつあるらしいミルクラーメンに近い味わいですが、酸味のお陰でインパクトが違う。合わない人もいそうですが、だんだんハマってきます。
 つけ汁の中に入った具材もちょっと変わっていて、前述のタマネギに加え、角切りにしたタケノコらしきものと、更にこれも小さめに切ったソーセージが入っている。この取り合わせが醸し出すのは、和風の味付けをしたクリームシチューです。タケノコとタマネギによる異なる歯ごたえがアクセントとなり、ソーセージが足りなかった肉の弾力と風味も加える。変わっているけれどなかなか考えられた仕上がりです。
 麺とつけ汁でしばし楽しんだあと、続いては辛味噌を箸ですくい、麺にあえる。一気には取れないので、ひとまずひとすくいをひと束に絡めて啜ってみる……うむ、予想通りに辛旨い。ピリ辛だけど刺激が尾を引き、食欲を昂進します。このスタイルで、普通に辛旨いまぜ麺として楽しめる。辛味噌がちょっと汁っぽくていちどに取れないのが難かな、と思いましたが、適度に辛さや肉の分量を調整して変化を加えられるので、この方が適切かも知れない。
 残った麺全体に辛味噌が絡んだところで、いよいよこの状態で麺をつけ汁に漬して啜る。マイルドにもなりますが、甘みと酸味がむしろ辛味を引き立て、すべての味が強調された気がします。コクが更に豊かになり、複雑な旨味を演出してる。麺に混ぜた辛味噌が溶け込むほどに味わいが膨らみ、どんどん美味しくなってる気がします。しかも、この段階でもまだ辛味噌のまぜそば風にも楽しめるので、つけ汁に漬す量まで考えれば、ずっと変化が楽しめるのです。
 しかし今回、ひとつだけ後悔していることがあります。それは、つけ汁の消費量が少なかったため、最後に割りスープを入れてもらったものの、まだ濃くて飲みきれなかったのです。
 そう考えたとき、惜しまれるのは、トッピングで特製を選ばなかったこと。具材がもっとあれば、変化するつけ汁に漬してもっと楽しみ、つけ汁も減らすことが出来た。しかもこのトッピングに含まれた海老ワンタン、ブースにてその場であんを包んでいる様子でした。つまり、現地で仕上げて茹でている。気づいたときにはもう注文が済んでいたため、追加でお願いする厚かましさはさすがにありませんでした。あれもこの個性的なつけ汁で味わってみたかった。
 何にしても、これは確かに新感覚、唯一無二に近い味。食欲を刺激する作りなので、お店の方の言うとおり、2杯目以降に頼むのに最適かも。トッピングは特製にするべきだと思う、心の底から。

あはれブース入口の商品案内。
あはれブース入口の商品案内。

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