大つけ麺博2024、2杯目は特濃にして余韻軽やか。

 10月15日の映画鑑賞のあと、今年2回目の大つけ麺博へ。
 思いっきり昼食時のど真ん中ですが、平日ということもあってか客の入りはそこそこ。予め候補に考えていた店の中で、一番混んでいるところでも十数人程度で、それほど待たなくても済みそう。
 ……が、選択の自由がありすぎても、それはそれで悩ましい。今年はまた木曜日から1週間で入れ替わるスタイルに戻ったため、ラインナップは先週金曜日と一緒。でも、けっきょくまた一通り眺めて、悩んで決めたのでした。

麺屋 中川會の濃厚どろ×2つけめん、トッピングは味付き玉子。
麺屋 中川會の濃厚どろ×2つけめん、トッピングは味付き玉子。

 選んだのは、東京は住吉を中心に数店舗を展開する麺屋 中川會の濃厚どろ×2つけめん、トッピングは今回もまた味付き玉子です。
 中川會は大つけ麺博でもいちど食べているし、そのときの印象が良かったので支店だけど実店舗にも訪れている。いまでも行こうと思えば行けるところですから、このイベントで会えて押さえる必要はないんですが、前のときはイベント以降実店舗でメニューに採り入れた気配はないし、今回もいちど限りになる可能性はある。それに、最近注目されている昆布水とかより、きょうはつけ麺の王道、豚骨魚介系の味わいが欲しかったので。
 見た目はつけ麺としては王道の、豚骨魚介、ドロドロのつけ汁と太麺、という取り合わせです。具材は三つ葉と多めの細切りメンマ、そして薄切りだけど面積のあるローストチャーシュー1枚……最近、ほんとにローストを乗せるところが増えたなー。
 何はともあれ、太麺を1本、軽くつけ汁に浸して啜る……色々と意外だったのは、思ったより味は通常の豚骨魚介のつけ汁と大きく違わないこと。ただ、一方で甘みも感じ、更には啜ったあとにクドさを感じない。
 確かにつけ汁はドロッドロです。たまーにある、レンゲが突き刺さる、みたいな濃度ではありませんが、数日間煮込んで具材がほぼ溶けてしまったスープのような食感さえある。しかし、それがめったやたらに煮詰めただけ、という濃厚さではなく、旨味が凝縮された感覚がある。お店の方から説明を受けたわけではないので、諸々の記述からの推測ですが、豚骨魚介のみでなく、野菜類も完全に分解して溶け込むまで煮込んだから、その甘みやまろやかさまで溶け込んだのかも知れません。
 一方でときどき強く感じる甘みは、太麺そのものの味と思われます。実際、ときどき調整で先っぽだけ浸して啜ることもしてましたが、それでもほんのり甘いのです。クドさは感じないと言い条、しっかりした旨味や塩味、更につけ汁に加えたと思われる故障の辛味も含めて、麺の甘みを強調しているのでしょう。実にいい組み合わせ。
 麺の上に乗せられた具材も絶妙です。すべて味付けはほぼ素材のまんまで優しすぎる、ただそれが、くどくないとはいえやっぱり濃厚なつけ汁の味わいの緩衝材になってる。三つ葉と一緒に啜ったときの歯ごたえと苦み、メンマと食べたときのほんのりとしたコク、そしてそのままでもつけ汁に浸しても、趣を変えてくれるローストチャーシュー。
 味付き玉子はほとんど溶け出さないくらいの固さに茹でてありますが、これも正解。溶け出してしまうと、既に完成されたつけ汁と麺の調和を乱してしまうので、これも箸休めになってる。単独で食べても、濃すぎない味付けがちょうどいいですし、うっかり黄身だけつけ汁にたっぷり浸ってしまいましたが、汁を吸わせてもこれはこれで美味しい。
 麺を食べ終わったら、ブースに戻りスープ割りをもらう。ここはポットにたぶん鰹出汁を入れてあって、自分で注ぐ形です。私は器のこぼれにくいギリギリのところまで注いでみましたが、これで最後まで飲み切れてしまった。もともと濃厚だけどしつこくないので、出汁で割ると異様に飲みやすいのです。こんなに飲みやすい割りスープは初めてかも知れない。
 基本が胃弱なので、濃すぎる豚骨魚介系は好きでも多くは食べられないし、年がら年中は難しい。ただ、このメニューが定番化したなら、まめに通ってもいい、と思うくらい、私にとっては豚骨魚介つけ麺の理想的な形。他のところとだいぶ迷ったのですが、ここにしておいて良かった……のだろうか。実店舗にはこのメニューはないはずだし、ある意味で罪作りかも知れない。

 麺屋 中川會は女将も人気で、イベントで見かけると毎回のように奇抜な服装をして陽気に駆けずり回っている。今日は、食べ終わったあとで、撮り忘れた店舗ブース正面の写真を撮影するために戻ったところ、ちょうどいらしたので、初めて撮影させてもらいました。
 ……でもなんで関取?

麺屋 中川會ブース入口の商品案内と、まん丸な関取に扮した名物女将。
麺屋 中川會ブース入口の商品案内と、まん丸な関取に扮した名物女将。

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