11月17日の映画鑑賞のあと。
毎度のごとく、ついでという名目で大つけ麺博に立ち寄ってきました。月曜の、若干空模様の怪しい昼間ということもあって客足はまばら。どこを選んでも余裕はありそうでしたが、今回は予め決めてありました……それでもいちおう一通り眺めて、やっぱりこれがいちばん興味がある、というのを確認してから注文。

麺堂稲葉のThe IIIrd Eye「鶏とのどぐろの覚醒」、トッピングは全種盛り。
いただいたのは茨城県のお店、麺堂稲葉のThe IIIrd Eye「鶏とのどぐろの覚醒」……なかなか凝った名前です。
トッピングは味付玉子、厚切りチャーシュー、穂先メンマの3種類がありましたが、どうやらデフォルトの具は少なそうだったし、玉子とチャーシューだけ注文するのと穂先メンマを足した全部盛りとで値段は一緒だったので、はじめから全部盛りに。
なんでこれを選んだかと言うと、麺です。私はそもそも老麺に限らず平打ち麺が好きなのですが、この太さはラーメンとしては珍しい。それだけでまず惹かれてしまいました。
とりあえず麺を啜る。もちもち感と弾力は期待通り、味は小麦の甘みと仄かなビターさが加わっている。ちょっと蕎麦のようなイメージもある味わいです。
続いて、つけ汁に漬していただくと、口の中は一瞬でのどぐろ。“魚介”ではなく、のどぐろの旨味と仄かな苦みが口の中に拡がります。その向こうに鶏の風味もあって、恐らくうまく引き締めているのでしょうが、食べているあいだのインパクトはのどぐろが強い。オーソドックスなつけ麺の趣もあるけれど、個性的でクセになる美味しさです。
このあたりでトッピングを挟んでいきます。まずは厚切りチャーシュー。このイベントで出てくるチャーシューは大判で薄切り、というパターンが多く、この厚みは新鮮。しかしそのお陰で、肉の旨味がより感じられる。炙った表面の香ばしさに、噛むと滲み出す脂の甘み、肉のムチムチとした歯応えと風味が堪能出来て、満足度が高い。つけ汁にディップしても、味付けや脂と相性が良く、浸し加減を変えればいつまでも楽しめそう。
味玉は、色こそ濃いめですが、味付けは控えめで、溶け出しすぎない程よい茹で加減の黄身が持つコクを引き立てます。こちらも、つけ汁を漬けてもうまく馴染む。しっかり考えられてます。穂先メンマも歯応えを残しつつ柔らかに煮込まれていて、
トレイの小皿に盛られているのは味変用の肉味噌だそうで、途中からちょっとずつつけ汁に溶いていただきました。ちょっとエスニックな印象のピリ辛で、混ぜるほどにつけ汁のテイストがアジアンになっていくのがまた面白い。
多彩な変化で、飽きるどころか、いつの間にか麺とトッピングは完食してしまいました。締めのスープ割りは、提供口の前のテーブルに用意してあるポットに用意されているので、一回戻る。ポットには“トムヤムクン風”と記してあって、食べる前は首を傾げてましたが、実際に投入してみたら納得。味変に投入した肉味噌のスパイシーな風味と混ざり合って、本当にトムヤムクン風――と断言出来るほどトムヤムクンをよく知らないので、アジア風、ぐらいに留めておきたいですが、実際、タイ料理のような雰囲気に変わる。つけ汁の濃厚さも見事に和らぎ、難なく飲み干せてしまいました。
というわけでこちらは、私にとって大当たりでした。ただ、デフォルトでの具材は少ないようなので、出来ればトッピングは多めに付けた方がいいでしょう。店舗で提供する機会があるなら、今回のトッピング全部盛りは予め載せていていいと思う、価格が多少上がったとしても。
以下余談。
パンフレットでチェックして、ここにほぼメニューを決めていたので、予めネットでトッピングの内容と価格を調べようとしたのです。大つけ麺博の公式サイトやアカウントではトッピングの情報をあまり出さないので、だいたいXで検索をかけて調べます。
出店の前日とかには無理ですが、当日夜くらいにはだいたい出回っている。ましてこのお店は最終日だったため、見付けやすい――と思ったら大間違い。
“麺堂稲葉”というフルネームで入力している人は多くないのでは、と思い、“稲葉”のみで調べたところ、釣れた投稿は概ね、B’zの稲葉浩志絡みの呟きでした。
まあそれは致し方ない。知名度的にもそうなる。これでは、お店の宣伝をしても、“麺堂”からかけてくれないと拾えないので大変だろうなー、などと思っていた。
で、来訪した当日。会場には常に有線か何かでJ-Popをかけている。が、このお店だけは店頭にわざわざスピーカーを置いていた。
流れていたのは、B’zの曲でした。
……そういやパンフレットに載っていた店主の姓、“稲葉”ではなかった。納得。



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