実はまだまだ壁は高い、らしい。

 午前中、色々あって、先週までトレーニングに通っていたクリニックを訪れ、ちょっと話をしてきました。
 そもそもこうなったきっかけは、医材の配送や頻度について確認の問い合わせを土曜日にして、「月曜日で構いませんので」と伝えておいたら、けっきょく夜まで連絡がなく、こちらからもういちど連絡する、という展開があったのです。それを契機に、先日の施工のあとからぽつぽつ出てきた不満、問題点が一気に噴出してしまって、直接話をしたほうがいい、と考えた。
 こちらのクリニックで在宅透析を専門に担当している技師の方と、お昼前にけっきょく1時間ほど放しました。

 ……つくづく、発展途上らしいです、このシステム。

 もともと、在宅透析じたいは法的に認められた精度ではなかったらしい。それでも、患者の便宜を考えて実施した医師がいたそうですが、この点で責を問われ医師免許を剥奪されてしまった。が、その時点で在宅透析を実施していた患者は100人ほどいて、そのひとたちをどうするのか? というところから始まったらしい。
 ただ、先日、在宅透析初日の記事で触れたとおり、この治療法は効果が高い。携わっている人ほどそのことを確信していて、懸命に普及に努めているものの、実は現時点で、在宅透析の保険点数は施設透析の2/3しかない。
 そのため、設備を施工する業者は、本来クリニックでの施工を専門にしている業者に無理を言ってお願いしている。これでもだいぶ思慮が行き渡るようになったそうですが、昔は粗く、ベッドの上に工具を放り出す、みたいなこともされていたらしい。配送業者にしても、1回に6l×2のケース24個プラス消耗品、という大量の荷物を、月1回だけ、という条件で無料にしてもらっている。更には、必要な備品なかには、クリニックが負担して出している、というものもあるらしい。
 それもこれも、もっと普及して欲しい一心から、なのだそうです。現状はあちこちに赤字を耐えて貰っている状況でも、効果が認知され、保険点数が上がっていけば、クリニックの負担もなくなっていく。技師や看護師にインセンティヴというかたちでの支給も可能になるので、人員も増えていきますし、現状、ひとつのクリニックでは50人ほどの管理が限界ですが、協力するクリニックそのものが増えていけば、在宅透析を実施できる患者も増やせるし、各々の負担も軽減される。また同時に、個人用の機器の開発も進めやすくなるので、現状、何キロもある透析液の箱をえっちらおっちら運ぶ手間が省けませんが、これも液体から粉末をベースにしたものに移行できれば軽量化が果たせる。施設では既に粉末を使用しているらしいのですが、在宅では未だ設備のハードルが高いのだそうです。そして、開発が進めば、機器そのものもコンパクトになっていく。

 そういったわけで、在宅透析をしている患者には積極的にその事実を発信して欲しいそうなのですが、困ったことに、元気になりすぎて発信することが減ってしまうらしい。
 私もまとめて触れるのはこのあいだの初日だけにしておこう、と思っていたのですが、そういったわけで、今後もときどき触れていこうと思います。自分自身のことを抜きにしても興味は尽きない話でもある。

 とりあえず導入初期は連日続けてみよう、と決意したとおりに、きょうも透析は実施しました。
 準備から穿刺、返血、回収までほぼノーミス。処置としては完璧でした――これで、透析準備の前にデスクトップでデータをいじっていたのに、クラウドと同期するのを忘れて、透析中に作業をするためのノートでなーんにも出来なかったことさえ除けば。
 やむなく、既に発表されている映画館のスケジュールをもとに週末以降の映画鑑賞の予定を練ったあとは、ただただテレビとDVDを観ておりました……。

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