なんかやたらと思わせぶりな宣伝、異様に豪華なキャストが気になり、日曜21時はいつも観るものがないので透析のたんびに悩んでいた、という事情もあって、実は『VIVANT』は第1回冒頭からがっつり、リアルタイムで観ていたのです。
頭から異様なスピードで展開するストーリー、あっさりと海を越え、どう見ても本物らしい異国の光景、盛大な発破にカーチェイス、と昨今の日本製ドラマでは――というより昔に遡ってもここまで徹底した例が思い出せない凝りように惹きつけられ、まんまとハマってしまったのです。
それでも第2話まではぼんやりと観ていたのですが、序盤からずっと布石が用意された緻密な作りに気づいていくと、すっかりこっちも考察や予想を展開するようになっていて、尚更に目が離せなくなった。こんなにどっぷりとハマったのは久しぶりかも知れない。
毎回のように意外な展開が待ち受けていることもこの作品の魅力であり、豊かな牽引力の源でもありますが、ただその一方、本当に布石が丁寧で、実は“衝撃の展開”と告知していても読めることがある。実際、昨晩放送された第9話、ラストで判明する事実は完全に想定内でした。細かく書いても、本篇を知らない人にはちんぷんかんぷんでしょうし、見ている人には興醒めになる可能性もあるので、あえて詳細は避けますが、2話前の時点でほとんど布石はあるのです。しかもご丁寧に、きのうは本篇前に多くの出演者を招いての生放送も含めたダイジェストを流していて、そこでダイジェストならカットしても良さそうな台詞が抽出されているのを見て、第10話の鍵を握るのが誰なのか、も確信が生まれてしまった。
……といいつつ、それが当たっていようといまいと関係ありません。当たっていなくてもたぶん最終回ならではの最高のドキドキハラハラを味わわせてくれるでしょうし、当たっていたとしても、それ故の駆け引きは極めて興味深いものになる。とにかく楽しみなのです。
そして、だからこそなんだか名残惜しい。あまりの評判に、既に劇場版の計画が動いている、という噂も出ているようですが、仮に実現するとしても、ドラマのストーリーはドラマの中で完結させてくれるのを私は一切疑っていない。ここまで熱狂を共にした視聴者がみんな絶頂に達するような極上のクライマックスを期待したい。
……本当にあと1話なのよね。これが終わったら来期の楽しみは……『家政夫のミタゾノ』があるか……毛色だいぶ違うけど。
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