今回のゲスト主人公は結木滉星が演じる後継ぎ神主。帯状疱疹の症状が出た父親に代わり、急遽地鎮祭を取り仕切ることになった小山祐太。施工主までが代理人という状況で、不足したものを総出で掻き集めどうにかやりおおせる。ひと仕事済ませ、すっかり空腹になった祐太は、買い出しの途中で目にした南インド料理店に駆け込むのだった。
よく知ってるけど詳細はあんまり知らないお仕事シリーズ、と勝手に括ってしまおう、今回は神職です。地鎮祭は大人ならいちどくらい接した可能性はあるけれど、その手順や準備を知っているひとは少ない。付き添いは経験しているけど自身で取り仕切ったことがない地鎮祭に臨む、というシチュエーションなので、何となく伝わりやすい。仕事シーンは基本、オマケなので掘り下げてはいませんけど、充分に興味深い。
そしてその若き神主が、着替えた作務衣の姿で南インド料理店に駆け込む、というのが日本らしいカオス。選んだお店が、五郎さん以外の客も店員もみんな現地の言葉を話してるので、妙な異界感があります。
今回は、関係のないゲスト主人公が、かつてのメインシリーズで登場したお店らしきものを仄めかすお遊びもあります。どのお店か、は後から入店した五郎さんがちゃんとモノローグで触れてくれます……あのお店は健在なんだろうか。妙に惹かれるお店だったけど。
肝心のお店も、日本人が親しんできたインド料理よりちょっとディープで、聞いたことがない料理が出てくる。ゲスト主人公と五郎さん、同じものに似たような反応をしているかと思えば、それぞれ趣の違う内容に色々と反応してくれるので1話、しかも同時進行でたくさんの情報が出てくるのも面白い。で、最終的に、前述のかつて登場したお店のスタイルを踏まえてクライマックスを楽しんでるのにもニヤリとさせられます。果たして今回のお店的にはいいのか。ドラマで使ってるんだからいいんだろうけど。
最後の最後で、五郎さんと同じときに来店していたお客の反応も織り交ぜていて、ちゃんとこの特別編ならではの見せ方もしている。そつがないです。
来週のゲスト主人公は平祐奈が演じる漫画編集者。昔なら、生活時間が一般人とまるで違っても仕方のない職種でしたが、今はどうなのだろう。流れからすると、本シリーズでは珍しい深夜メシになりそうだけど。
『それぞれの孤独のグルメ 第十話 東京都中野区新井の南インドランチ』
テレビ東京開局60周年連続ドラマ 孤独のグルメ特別編 ドラマ24「それぞれの孤独のグルメ」 | テレ東・BSテレ東 7ch(公式)
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