《母来たる》篇。年の瀬が迫り、九十九夜町に鹿乃子の母親・フミがやって来た。たまたま稲荷神社の清掃をしていた左右馬が遭遇し、自らの身分を隠したままフミを案内する。一方の鹿乃子は、利市がスリをした男を追っているところに遭遇して手助けをし、取り押さえる。捕まえた嘉助という男は、利市から現金を掠め取った事情を打ち明ける――
鹿乃子の母親役は若村麻由美。このビッグネームを出してきた時点で、終盤にこのエピソードが来るのは解ってました。鹿乃子が居場所を見つけたことを明確にするエピソードは、1クールで出来る範囲としては理想的だと思ったのだけど。
しかし、今回も脚色が巧い。原作ではかなり終盤のエピソードであるクリスマス篇をミックスして、放送時期とも合わせた気の効いた内容になってる。優しさ故に嘘をつこうとするご近所さんと、鹿乃子の力を知っているから、どうフォローするべきか悩む左右馬。佳乃子に会うことなく帰ろうとしていたフミも含め、優しさと思いやりが交錯するエピソードになってる。
もともと彩り鮮やかな美術に、クリスマスの装いまで加わって、映像的にも華やかなんですが、冬だからこそ描きうる“暖かさ”も加味され、今回も実写化するための脚色として素晴らしい。
いよいよ来週は最終回、初めて予告からすぐに特定できなかったんですが、たぶん《嘘だらけの女》篇――もしそうなら、なるほどこれは最終回として気が効いてる。私の想像通りなら、終盤はかなりキュンキュン来ます。まだまだ描かれてない話や、ミステリとして高度な作品も手つかずのまんまになりますが、続篇への含みを持たせる意味でもたぶんいいチョイス……これだけ振っておいて、全くのオリジナルだったりしたらどうしよう……。
嘘解きレトリック - フジテレビ
嘘解きレトリック - オフィシャルサイト。毎週月曜よる9時放送。鈴鹿央士、松本穂香
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